東野としひろ活動NEWS

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第37回国民融合東播合宿研究会

2024-08-31 06:03:54 | 農業・林業

 8月24日・25日の2日間、第37回国民融合東播合宿研究会(東播合宿研)が三木市のコープこうべ協同学苑で開催されました。私は24日に所用があり、25日だけの参加でした。

 東播合宿研は今回で37回目を迎え、スタート時の部落問題の解決を目指した活動から部落問題の解決を遅らせている解同問題、さらに真に基本的人権を守る活動や憲法問題等と幅広いテーマで問題提起をしてくれています。東播地域において、国民の権利を守る自主的な活動としてしっかりと根を張られています。今回のテーマは、「戦争は最大の人権侵害、大軍拡・戦争する国づくりSTOP!、平和と民主主義・平等と人権の時代をひらこう」でした。

 24日の講演は、神戸女学院大学名誉教授の石川康宏氏による「政治の転換を市民の力で、そして憲法どおりの希望の時代を」でした。

 私が受講した25日の講演は、岡山大学名誉教授の小松泰信氏による「持続する農ある世界を展望する-農家・農業・農村の現状と価値-」でした。小松氏は、農ある世界の構成要素である農家・農業・農村の厳しい現状に触れられました。

 農家戸数は1960年600万戸(全世帯の26.9%)だったのが2020年175万戸(3.1%)。基幹的農業従事者は2000年240万人だったのが2023年117万人(うち70歳以上57%)。作付面積は1960年827万haだったのが2021年398万ha。農業人口の激減とともに、農地の荒廃化が急激に進んでいる現実が浮き彫りにされました。

 食料自給率は38%であり、食料有事と言わざるを得ないと断言されました。日本人の基礎代謝が必要とするカロリーさえ賄えず、国防のため軍事費の増加を政府は言っているが、日本は食料輸入をストップされればすぐに餓死者が出る状況であり、農業にこそ力を入れるべきだと言われました。ただ、食料自給率向上は決して容易ではなく、遊休農地に飼料米やゴマ等の油脂類を栽培する、麦・大豆の栽培を奨励し、国として差額保証を行うべきだと話されました。また、米の多面的活用も必要だと話されました。

 また、農業をはじめとする第一次産業は、平和的国防産業であり、多面的機能を果たしていること注目すべきだと話されました。食料(林産物・海産物も含む)や林産材供給機能を維持するためには、「価格保証」が必要だと力説されました。私も、その通りだと考えます。

 小松泰信氏の講演を聞き、日本の農業を含む第1次産業の進むべき方向、国の果たすべき役割について、深く考えさせられました。

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