近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

京都府京丹波町の塩谷古墳群!そのⅡ

2009年10月04日 | 歴史
京丹波町の塩谷古墳群巡りを、更に続けます。

本古墳は平成元年に、府営ため池整備工事中に発見され、発掘調査の結果、本古墳群最大の5号墳から、5~6世紀の襲(おすい)を羽織る2体の巫女型人物埴輪が出土。





写真は、本古墳5号墳から出土した2体の巫女人物埴輪及び公民館で展示された巫女埴輪のレプリカ。

巫女人物埴輪の衣装は、古代人の祀り・祈りを物語る象徴的な遺物で、中でも襲は、古代の衣服の一で、頭からかぶって衣服の上を覆い、下は裾まで長く垂れた衣をいうらしい。

2体の巫女埴輪は、京都府の文化財に指定されている。





写真は、巫女埴輪の拡大像及びデザイン性に富んだ、八頭身美人の輪郭。

この埴輪は、高さが71.5cmほどで、髪は島田髷・筒袖の服とスカートのような女装をし、襲と呼ばれる布を羽織、その上から襷のような帯を着けているように見える。

首飾りがお洒落感覚を醸し出している。

両手に酒壷を持っていたとされるが、祈りの形にも見える。

卑弥呼の面影を髣髴とさせるような優美な姿には、当時の祀りの様子が垣間見える。

6世紀ころには「丹波」の名のつく女性が天皇の后となっている土地柄からも、巫女の支配力が及んでいたのかもしれない。

このような珍しい出土遺物を伴った古墳群を残すため、平成3年に“京都府ふるさと環境整備事業”によって、塩谷古墳公園が整備されたと云う。

巫女埴輪は、太古の世界に迷い込ませるような錯覚を覚えるが、現在でも身近に歴史を感じ、親しめるスポットとなっている。



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