近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

桜井市の桜井茶臼山古墳、副室とみられる遺構存在!そのⅠ

2011年07月22日 | 歴史
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桜井市の桜井茶臼山古墳は、初期大和王権の大王墓とされ、銅鏡81面分の破片が出土した、3世紀末~4世紀初め頃の前方後円墳。

遺体を埋葬した本古墳石室(主室)の東と北の2か所に、副葬品を納めるなどした「副室」とみられる遺構があったとわかり、県立橿原考古学研究所が平成23年6月13日発表した。

副室を伴う、大王墓級の古墳の発掘例はほとんどなく、古墳構造の研究を進める上で、基礎的な資料となるという。





写真は、現在進行中の茶臼山古墳発掘現場の空撮光景及び同古墳出土の副室跡と板石。

発表によると、石室東側に大型の石材4枚をふたにした穴の跡が確認でき、南北方向に延びる副室の一部と推定。

規模は長さ8m・幅1.5m以上で、大型石材の上を別の薄い板石で覆っていたと云う。

北側にも、東西に延びる竪穴式石室のような副室(長さ2m・幅1.5m以上)があった。

地滑りで崩れた西側にも、石材の状況から副室の存在がうかがえるという。ただ、副室は未発掘のため、副葬品などは確認できていない。

副室は、丸太垣に囲まれた主室の東約6m・北約4mでそれぞれ見つかり、長さ70cm前後の天井石を並べていた。天井石の上には「板石」が敷かれていた。

当初は排水溝とも考えられたが、2つが接合せず、奈良文化財研究所の地中レーダ、電気探査も参考に副室と結論づけた。

南西約1.5kmにあり4世紀前半の同様の大型古墳、メスリ山古墳では未盗掘の副室が約50年前に発見され、鉄製弓など大量の武器類が見つかっており関連が注目される。


桜井茶臼山古墳は全長約200mの国史跡の前方後円墳で、6基が集中する3世紀中ごろ~4世紀前半の大型前方後円墳の1つ。

竪穴式石室内は真っ赤な水銀朱で彩られ、81面分以上の銅鏡片が見つかっている。

6基のうち桜井茶臼山古墳とメスリ山古墳以外は宮内庁から陵墓指定されているため、調査はできない。



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