近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

大阪岸和田市の古墳群とは!

2008年12月13日 | 歴史
岸和田市は、大阪市と和歌山市のほぼ中間に位置し、大阪都心から約20kmの距離にある。東西約7.6km、南北約17.3kmの細長い地形で、おおむね臨海部・平地部・丘陵部・山地部に区分される。

丘陵部から山地部にかけては豊かな自然が残り、岸和田市の特色の一つ。

☆久米田貝吹山古墳
古墳時代、岸和田市のある和泉地域で力を持っていた首長のお墓は、岸和田市摩湯町にある摩湯山古墳から始まり、その後岸和田市近隣で久米田貝吹山古墳・久米田風吹山等の古墳が造られた。

しかし、時代が下るにつれて、中央政権と和泉地域首長との関係の変化などから岸和田市内では大規模な古墳は造られなくなったと云う。

久米田古墳群は市内池尻町に所在し、14基以上にのぼる古墳群の中で最大規模の前方後円墳。





写真は、久米田貝吹山古墳及びその丘頂から望む岸和田市内。

久米田貝吹山古墳は全長約135m・後円部径約82m・前方部幅約64m・高さ9mに及ぶ。周囲には12~13.5mの周堀を巡らせ、葺石・埴輪列も確認されていると云う。

埋葬施設からは碧玉製管玉・鉄片・土器等が出土し、4世紀末から5世紀初頭にかけての古墳時代中期の築造と推定されている。



写真は、久米田風吹山古墳。久米田古墳群中、第2位の規模を誇る風吹山古墳は、久米田貝吹山古墳の南西約120mの位置にあり、径約50m・高さ6.4mの円墳。墳丘は2段築成で葺石・埴輪列が検出されている。

平成4・5年の調査結果、石室内から男女の物と思われる副葬品を発掘した。
東側には女性の副葬品と見られる多量の玉類・大きな鏡・剣2本を検出、西側
には男性のモノと見られる刀2本・小さな鏡等を検出していると云う。

男女が複葬される場合、通例は並列に埋葬されるのに対して、東西一列に直線的に埋葬されていた珍しいケース。

副葬品等から貝吹山古墳に続く5世紀前葉(古墳中期)の築造と見られている。

☆摩湯山古墳
市内摩湯町に所在し、前期古墳としては当地方屈指の規模を誇る前方後円墳。4世紀後半の築造と推定され、昭和31年に国指定史跡に認定された。前期古墳としては大和地方以外では最大級の規模をもつ。



写真は、摩湯山古墳。本古墳の墳丘は3段に築かれ全長約200m・後円部径約127m・前方部幅約100mの規模。
周濠が現在の溜池に改変されたと見られる。

墳丘には埴輪・葺石を確認、特に家形・きぬがさなどの形象埴輪が検出されたと云う。
墳頂部に散在する石材から、板石積みの竪穴式石室の可能性が指摘されている。




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