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過労死予備群の「食から笑顔になる生活」

夜討ち朝駆けで仕事する日々。忙しくとも自分なりの手間をかけて、美味しく笑顔になる生活を志します。

アフリカに触発される JIKO-5 衝撃のビーフ・リブ

2016-09-07 23:36:00 | 旅日記
★飛び込み記事です★
★長いことアフリカを書いてきたのは、このお料理からうけた想いを、書きたかったから、です(笑)★


こちらが私が注文したメインのお料理です。濃厚な香りとともに、熱々の皿が置かれました。この存在感は何だろう…?
大地から樹木が姿をみせるような、力強さ。イキイキした植物の香りもあって。



■Botswana-style Seswaa Beef Short Rib
Cassava-Potato Purée, Sambal, Mushrooms, Tamarind Demi-glace

ボツワナ式セスワ・ビーフ・ショート・リブ
キャッサバ芋のビューレ、サンバル、マッシュルーム、タマリンド・デミグラス

お肉の下、白いソースがキャッサバ芋のとろとろピューレです。もう一つの茶色く見えるのが、サンバル・ソースです。お肉自体は焦げ茶のデミグラスをまとっているとおもうのですが、組み立てから思う香りとは、違います。甘さや酸味、コク…イキイキしたコク、そんなもの、あるのだろうか?

フォークを当てるだけで、このお肉が繊維に沿って、解れてきそうだとわかります。
お肉に手を出したくて、我慢できなくなる。ふくいくと薫るリッチな組み合わせに、クラっときます(笑)。



うわぁっ…。ナイフをあてると、するりっと解れてきます。薔薇色の肉繊維がみえる。パクっ……うっわ!トロ旨が怖いほどです。塊が解れて、蕩けていく、ありえない食感に、旨味と香りに絶句します。
黙っている私に怪訝な目をむける朋輩に、わけました。さすれば悶絶(笑)。
こういう肉料理にあったことはありません。間違いなく塊感なのに、蕩けるのです。
酸味と新鮮さのあるデミグラスが、その不思議な食感に、独特さを増していて。キャッサバのピューレはさらりっと甘く、サンバル・ソースは酸っぱ辛さを与えて。さらに複雑になる。


ヒントを探すなら、元になる料理名から学ぶしかありません(ニッコリ)。

■Seswaa (セスワ)とは、ボツワナの代表食として。手持ちの大使館料理の本に紹介されていました。

[作る]
1)牛 骨付き塊肉500gを、ぶつ切りにし、浸る程度の湯で、最初は強火に、沸騰後は弱火にし、一つまみの塩を加えて、30分ほど煮る。
2)骨から肉が剥がれるようになれば、木べらで、細かくほぐしとる。
3)解した肉を皿に盛り、茹で汁を少量かけて、食す。


ああ、なるほど! この調理を、しっとり旨味を引き出せる牛肉部位に適応して、そこに香り豊かなソース類を組み合わせていたのか。ポトフやテール・シチューを食すヒトに、新しい食味を与えようと、したのかしら! う~ん、やるな! 実に素敵な触発♪

ショートリブは、リブロースとトモバラの間、脂と肉が層をなす旨味ある柔らかさが印象的な部位。骨付きでも煮るのは勿体ない、焼くべきという記述があって笑ってしまいました。それをすね肉の代わりに使ったと考えれば、クックの凄さが伝わります。
既知の料理法に、違う食材をあてることは、未知なる一皿を生む力ある冒険なのです。料理って、やっぱり面白い(ニッコリ)。


ボツワナは南アの北に位置し、西に砂漠、中央部にサバンナと広大な湿地帯をもつ、乾燥ぎみな気候です。
そのため、とうもろこし、豆の栽培、牛ややぎの飼育を除くと、農業はあまり盛んではないとのこと。しかし、天然資源が豊富であるため、経済や政治は安定傾向にあるそう。
アフリカのスイカの原産地と目されていて、水分補給に重用されているそう。とうもろこしのお粥にも、スイカやメロンを加えると聞き、カルチャーショック(笑)。

そうか……牛は伝統料理にあり、穀物や豆のお粥に、酸味や甘さをあわせる文化背景のある国、ボツワナか。
では、この酸味にのる新鮮さは、どこから?? あっ、タマリンド!
タマリンド・シードを煮詰めた上手なチャツネは、フルーツのような酸味が明るく香る…。他にさらに、フルーツを加えて、デミをしあげれば、こんな香りと酸味がでるかもしれません。どんな量で、それはできるのか。


深く考える間も、手と口は動いていました(笑)。五感を動員して、味わって考えるべき料理だと、私の記憶がささやきます。

今は行くことが難しくなったアフリカ! 生きてる間に、行けるでしょうか。
中東もアフリカも。テロに道を奪われて、旅人には危険な場所になってしまいました。
この料理に繋がる、最初の味を、その国の空の下、風のなか、大地を感じて食してみたい。

豊かな天然資源をもち、沢山の人口を養えた故に、異国に支配されてきたアフリカ。ついで民族闘争に、それを利用するテロに囲まれてしまうアフリカ。。。本当のアフリカに会える日が来てほしいと、切実に感じた、お料理でした。
アフリカを伝えたいっと、長い時間をかけて記事を書いてきました。本当のアフリカを応援したい。暮らす人々を応援したい。どうぞ平和に暮らせる日がきてくれますように!
いつか行きたい、話したい国に、また出会うことができました。食は世界を繋ぐ力があるのです。


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