<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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レコードのCDとLPを比べるとLPの方が圧倒的に「アートである」ことがはっきりとわかる。
そんな展覧会が兵庫県の芦屋市立美術博物館で開催されていた。

「ジャケットデザイン 50-70s 」

という展覧会だ。



7月18日までの開催だからもう一週間しか残っていないのだが、なかなか面白く懐かしく感じる展覧会であった。

芦屋の美術館を訪れたのは初めて。
こんなところにこんな美術館があるとはついぞ知らなかった。
ではどうしてこんな展覧会を知ったのかというと、インターネットで「兵庫県の美術館」を検索していたら偶然見つけたからなのであった。

大阪南部からは阪神高速道路を使うと比較的簡単に素早く行くことのできる兵庫県が目的地としてターゲットにされたのであった。
それも神戸以東の近い範囲からの選択であった。

兵庫県の大阪寄りには伊丹市立美術館がある。
ここの美術館は過去に一度だけ訪れたことがあるのだが、小さな美術館ながら非常に洗練された展示会であったことを記憶している。

芦屋の美術館は阪神間にある美術館では最も新しい部類に入り、完成して10年少し。
震災の4年前1991年に開館した美術館。
芦屋、という関西では最も洗練された地域のひとつの中にある美術館だけに、落ち着いた雰囲気が特長であった。

小さな展示室にはラジオ関西から提供された50年代から70年代にかけてのLPレコードのジャケットが展示されていた。

ビル・エバンス
BBキング
レイ・チャールズ
ビートルズ
ピンク・フロイド
エルトン・ジョン
EW&F
カーペンターズ
ビリー・ジョエル
などなどなど

こうして眺めてみると50年代から70年代にかけての洋楽を支えたアーティストたちのなんとビッグでバリエーションに富んだことだろう。
また名前だけではなく、レコードジャケットのイカしたデザインがたまらない。
CDの小さな表面と異なって30cm×30cmのLPは、それだけとっても立派なキャンバス。
無味乾燥なプラスチックのケースではない真四角の紙の暖かさが絵柄と共に文化をカタチづくっているのだった。

こうして考えてみると、音楽とジャケットは一対で作品だった時代が50年代~70年代。
CD時代も過ぎ去って、ダウンロード時代の今は便利だけれども、昔よりなにか足りない。
テクノロジーは発展したが文化的には要素が減って衰退したのではないか、とちょっと考えてしまう、そんな展示会なのであった。



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