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ミャンマー入国は正規の手続で。
尤も、ミャンマーでなくても、どの国でも正規の手続で入国するのが当たり前。
そんなことがわからない人がいるのが日本のマスコミだ。


「今度はモーリャメンに行ってみたいんですけど。」
「モーリャメン?なんでそんなところに行きたいんですか?」
「つまらないんですか?そこ」
「何もありません。」
「でも、行きたいんです」
「どうしてです?」
「はあ、泰緬鉄道のミャンマー側の始発駅なんです。」
「泰緬鉄道、ですか」

ガイドさんTさんはミャンマーを初めて訪れてから毎回お世話になっているミャンマー人のガイドさんだ。
ヤンゴンより北側にある大きな街のほとんどを訪問した私は、いよいよ泰緬鉄道のミャンマー側の始発駅モーリャメンを訪れようと思ったのだ。

「で、どうやって行きたいですか?」
と尋ねるTさんは若干不服そうだ。
「どうやってって?やっぱりバスか列車です。」
「ダメです」
「だめ?」
「行くなら飛行機になりますけど」
「どうして。陸続きでしょう」
「途中ゲリラが出るところがあって外国人は通過を許可されないところがあります」
「ゲリラ、ですか」

と、Tさんが指摘したゲリラ出没地帯が、今回APF通信の代表が拘束されたカイン州のことだった。

このカイン州。
ミャンマーの観光地としては最も有名なゴールデンロック近くからタイ国境まで広がる州なのだが、深刻な民族問題を抱えていて武力衝突が絶えない。
私がミャンマーを訪れた時も、カイン州で路線バスがゲリラに襲われ多数の乗客が殺される、という事件が発生したばかりだった。
Tさんが「なんで行きたいんですか?」と尋ねたのも尤もなことなのであった。

このように、ミャンマーは今も多くの少数民族問題を抱えている。
かつて、この民族問題が原因となって内戦状態になった歴史がある。
すべて英国植民地であったときの負の遺産なのだ。

このような特殊な事情は日本では紹介されることはほとんどなく、とんちんかんなマスコミが少数民族イコール弱者イコール正義という図式で報道するので日本国内の人に軍事政権が一方的に悪いのではないかという印象を与えている。
軍事政権は非難されるべきところもある(とりわけタンシェ議長は)が、中国の軍事政権イコール共産党政権よりは遥かにマシであることは断っておく必要があると思う。
ミャンマーの軍事政権のことをボロクソに書く、例えば朝日新聞やAPF通信のような変わった性格のマスコミも中国共産党のことになると大切に敬いの心で書くのだから訳がわからない。

「こういう時にこそ入国し取材するのが私達の使命だ」
と言って拘束されたAPF通信の代表は、次回は是非、ウィグルやチベットへ潜入して取材していただきたいものだ。
多分拘束されたら命はない。

なお、APF通信って名前はAFP通信の偽物か。
まるでHOGNDA(中国製でおなじみHONDAの偽もの)のバイクみたい。
益々、変わった通信社ではある。


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