<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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それにしても世の中には色々なイベントがあるものだ。
「サハラ砂漠でフルマラソン」。
暑いだろうな。
走りにくだろうな。
コース見失わないかな。
と、色々と考えてしまう、そんなマラソン大会が存在していたのだ。

実質的に「ソマリランド」を日本に紹介した紀行作家というか冒険家の高野秀行。
そのエッセイ集「世にも奇妙なマラソン大会」は表題のサハラ砂漠でのマラソン大会への無謀な参加体験記をはじめ5編の愉快な紀行が収録されている。
どれもこれも非常に面白いのだが表題のマラソン大会はもちろんのこと謎のペルシャ絨毯売り、フランス人のゲイのおっさんとの一夜の駆け引き、なども面白かった。

旅に出ると想定外の出来事に遭遇することが少なくない。
私の場合はバンコクのトランプ詐欺師集団やミャンマーでの長距離列車旅行途中の豪雨橋脚流出事件などがそれに当たるかも知れない。
このような出来事は日本の価値観とは大きく異る背景をもってして発生するわけで、実際に出会うとかなり困ったことになる。
うまくくぐり抜ければ後で笑って済ませることができるのだが、うまく行かないと大変な事態になることもある。

著者の高野秀行氏は自らそういうところに飛び込み、それをレポートするというのが大きな魅力と言えるだろう。
先日、台湾が国交を結んだことで注目されたソマリランドもそう。
ブータンの謎の生物探索もそう。
ミャンマーの山深く取材した少数民族「ワ族」の村での生活もそう。
イスラム圏での飲酒文化もそう。

どれもこれも普通ではない環境に飛び込んで自ら体験する。
自分のバックパック旅行とも重なり実に面白いのだ。

今回のサハラ砂漠のフルマラソンという無謀へのチャレンジも同様。
日頃ジョギングさえしないという著者がいきなりフルマラソン、しかもサハラ砂漠でのというところがもうすでに尋常ではない。
しかしその無謀を思いつきだけで終わらせず実行に移して感動を呼び込むところがこの作家の最大の魅力だろう。
完走するのかどうかは読者だけのお楽しみ。

ということでサハラマラソン。
来年2021年も開催されるようなので興味ある人は是非ご参加ください。

http://runners-wb.org/race/race01.htm


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