<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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マンションという名の集合住宅に住むのか。
それとも夢の一戸建てに住むのか。

都心の高層マンションが売れていると耳にして耐震性や火災などの防災対策、経年劣化による大規模修繕など、課題が気になっている。
そもそもどのようなスタイルの家に住むのかはライフスタイルとその考え方に密接に関係しているので、そのこともしっかり考える必要があると感じる事が多い。

例えば転勤族。
銀行や保険会社、商社に勤務する人は家族ともども転勤が繰り返されて一定値に住み続けることは少ないだろう。
これは職種が固定を良しとしない正確をもっていることもある。
だから1戸建てがいいのかマンションかとうことを考える前に持ち家がいいのか賃貸がいいのか、というところも考える必要がある。

持ち家にするとどうしても管理の問題が生じる。

ずっとそこに住み続けるのであれば持ち家は総合的に見て経済的だ。
私も今は実家の中古マンション購入する際、不動産業者と銀行からアドバイスをもらったのは、
「家賃は消えてしまいますけど、ローンは金利部分を除いて資産として残ります。家賃感覚で払っても貯金みたいに残りますから」
というものだった。

「上手いこと言うな〜、商売やな」

と思った。
でも実際にローンを終わって気がついてみると必要なのは税金と管理費・修繕積立金だけなので家賃より格安だ。
しかももしここを出るとなったら売却することもできるし、賃貸で他者に貸すこともできる。
賃貸はこうはいかない。
無理をして買った効果がここにあった。

転勤が多くて賃貸となると持ち家と比べて住む場所を自由に選ぶことができる。
もちろん家賃の多価もあるけれども、あっちに住んで次はこっち、ということが比較的容易だ。
私の祖父は堺の大店のボンボンだった。
なんと言っても母より上の叔父・叔母には乳母がいたという家柄なのだったのだ。
それが大恐慌で破産。
そんなこんなで母が生まれたころから借家暮らしを余儀なくされたが、祖父は天性明るい人だったのか転居が大好きで堺市内(旧市街)のあっちこっちを住みわたった。
だから母は市内で転校をなんどか繰り返した。

ある日、母は小学校から帰ると自宅がものけの空。
誰もいないばかりではなく家具、家財もない。
「え〜〜〜〜〜〜」
っと、呆然としていると、祖父がやってきて、
「お〜い、○○(母の名前)。引っ越したから今日から家は別の場所や」
と。
これには小学生の母も呆れて暫く何も言えなかったという。
祖父は破産して1丁四方あった自宅兼会社を失ってから堺市内の半径2km付近で3度引っ越しをした。

このように自由に展開できるのが賃貸のいいところだろう。

都心に住むのはまさにこういうポイントにあるだろう。
職場に近く通勤が苦痛にならない。
戸建ては高すぎて手が出ないので集合住宅。それでも買えないので賃貸で。
となる。
でも、結婚して子供ができたらお金もかかる子供の教育もある。
健康に育てたい。
だったら通勤が少しぐらい我慢して郊外の駅チカマンションかバス・自転車で15分ほどの1戸建てということになる。

「仙台は子育てにいいところです」
と言ったのは京都から転勤したS君だった。
「福岡は趣味にあうからいいですよ」
と言ったのは東京から転勤したサイクリング好きのHさん。

結局は不動産でびっくりするより、生き方を考える。
住むのは高層マンションか戸建てではなく、都心か郊外かでもなく生き方なのだろう。


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