<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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もう30代以下の人はわからないとは思うけれども、その昔「赤い運命」というテレビドラマがあった。
「赤い疑惑」に続く人気ドラマで伊勢湾台風だったか、なんだかのゴタゴタで生まれたばかりの子供が入れ替わり、それぞれ真実を知らされずに大人になったが、さあ大変、という番組だった。
こんな韓国ドラマみたいな番組の何が人気だったかというと、主演が山口百恵と三浦友和のコンビだったからだ。

私はもちろん子供であり、アイドルとしての山口百恵のファンであったけれどもこの番組はあまり好きではなかった。
理解できないということもあったけれども、ドラマの中で山口百恵の父(実の父ではない)を演じる三國連太郎に言い知れぬ不快感があったからだ。
悪父ぶりといったら昨年の朝ドラ「おちょやん」でトータス松本演じるおちょやんの実父が話題になったが、三國連太郎のそれは常軌を逸した悪ぶりだった。
トータス松本の悪父はまだ明るさがあったが、三國連太郎のそれは明るささえなかったのだった。

「嫌われるということは役者冥利につきます」

と本人が言っていたのを後に聞いて、

「すごい人だ」

と感じたものだった。
ちなみに三國連太郎といっても30代以下の人は知らない可能性があるので念の為に、このひと佐藤浩市のお父さんです。

この三國連太郎演じる父の経歴にシベリア捕虜というのがあった。

第二次世界大戦が終わってから旧満州国にいた日本人の多くはひどい目にあった。
財産を失っただけならまだいいほうで、命を失った人たちも少なくない。
旧軍人は条約を破って参戦したソ連、つまりロシアに引っ立てられシベリアの収容所へ。
強制労働につかされ満足な栄養もとることができず、家族に再会した気持ちそのまま餓死、病死、虐待死した。

主役の父はそういう環境で性格がねじ曲がり残酷で陰険な人間に成り果てたというものであった。

ウクライナでロシアがやっていることを思うと80年前とちっとも変わっていないことに驚きを感じる。
これは民族の個性なのか、教育の為せる技なのか。
街を破壊し、人を虐待し、拷問し、死に至らせる。
文化をも破壊しようと試みる。
我々が歴史教科書でしか習わないような残虐な行為を躊躇いもなく繰り返す。

ゴルバチョフが出ても、自由主義経済が導入されても、ちょっとばかりの報道の自由が生まれても、全てご破産。
ロシアはちっとも変わらない国なのである。


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