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蚤の脳みそでおなじみの東京五輪組織委員会会長の森喜朗元首相が大失言。

「女性がたくさん入っている理事会というのは時間がかかります」

実にオリンピックの本質的問題を顕にした瞬間だったと言えるだろう。
なぜなら近代オリンピックは女性蔑視との戦いという側面があったから。

多くの人々が称えるクーベルタン男爵。
近代オリンピックを発案し、企画し、始めたフランス人だ。
この人、多くの人が称賛することが少なくない。
戦争をしないようにスポーツで競うことで平和を導く。
古代ギリシャの思想を現代に持ち込み、そして史上最大のスポーツの祭典を成功へと導いた。
しかしその反動はすごく、彼は個人的資産をすべてここへ注入して晩年は気の毒な状態なのであった。
と、いうもの。

この気の毒な状態に置かれたのはもしかすると女性蔑視の結果だったかもわからない。
なぜなら、彼は亡くなるまで「女性はオリンピックに出る資格はない」と主張していたその張本人なのだから。

第1回大会は女性の種目は近代オリンピックになかった。
それはクーベルタンだけでなく、多くのオリンピック委員会メンバーが「女性のスポーツする姿は見たくない」とか「女性は男性に劣るのでスポーツをする必要などない」といった理由を挙げて、それを阻止していたから。
中には、
「あなた、女性が踏ん張って砲丸投げをしているところを見たいと思う?」
と言った不届き者もいたという。

この事態を深刻に受け止めた多くのアスリートや団体が改善運動をして少しづつ女性を受け入れ、第二次大戦前ぐらいにやっと現在のカタチができあがってきたのだ。
それでもオリンピックが開催されるごとにクーベルタン男爵を始め多くの有力者が、
「女性にオリンピックは必要なし」
と愚痴を言い続けていたのだいう。

森喜朗。
脳みそは蚤、というだけではなくシーラカンスでもあったようだ。


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