<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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緊急事態宣言も解除されたので、まずは仕事で名古屋へ向かうことにした。
もちろん日帰り。
もちろん経費節約で新幹線じゃなくて近鉄特急。

この日、私はいつものように大阪鶴橋から近鉄名古屋までの名阪特急の座席指定券を求めるべく近鉄のサイトにアクセスした。
そしてログイン。
取引先の訪問時間にマッチする特急電車を検索した。

「おや?......以前と違うぞ」

検索結果を見た私は思わずつぶやいていた。
その画面には直通特急の多くが新型の「ひのとり」になっていて従来のアーバンライナーが少なくなっていたからであった。

昨年のある日。
知人と飲もうということで近鉄あべの橋駅で待ち合わせをしていると新型特急の座席のモックアップが展示されていた。
いかにも豪華そうな座席。
コンセント装備。
リクライニングも使いやすそう。
紛れもない。「ひのとり」の座席サンプルなのであった。

「ほー、ついに名阪特急に新型かな」

と暫し見とれていたのであった。
その新型特急がこのコロナ禍の大変な時期に大阪〜名古屋間に投入されていたようで、私はいきなり「ひのとり」を体験することになった。

で、移動日当日。
実際に乗ってみると、これまで利用してきたアーバンライナーがすっかりお年を召してしまったような印象になるほど車内インテリアと装備が洗練された車両なのであった。
全座席にはAC100Vコンセントを装備。
座席前のテーブルは大きくてノートPCを置いてもスペースが余るくらいに広く丈夫だ。
テーブルにPCを載せている時に飲み物をどうするかというと、ちゃんとその横にドリンクホルダーに装備されている。
PCが使えるということは当然車内Wifiが飛んでいる。
私のMacBookAirをつないでみると、ストレスのないサクサクとしたWifi環境が整えられていることがすぐに確認できた。
新幹線のあのモチモチした繋がるのか繋がらないのかわからないクオリティとは随分と異なるのであった。
足元のフットレストはアーバンライナーの3倍はあるかと思える広さとフカフカさ。
そして最高の特徴はセル方式になったリクライニングシートで、後ろに倒しても後部座席の人に圧迫感を与えることがまったくない構造のシートが採用されていたのだ。
このセル式シートは座っている人の体を包み込むような感覚があり、広いフットレストと個別の窓と上下スライドウィンドウシェードを組み合わせると、個室に居るような感覚にさえなることのできる快適さなのであった。
これでレギュラーシートなのだから、もしデラックスシートを利用していたらどのようなアドバンテージを体験できたか大いに気になるところだ。

尤も、従来のアーバンライナーと比較して200円ほど指定料金が上がっており、微妙に儲けようという近鉄のセコイ感覚がにじみ出ているのが玉に瑕なのであった。
でも、もうアーバンライナーよりひのとりがいい。

もう、大阪〜名古屋は新幹線に戻ることはあるまいと思ってしまう、ますます魅力的になる近鉄特急なのであった。


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