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<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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北朝鮮に拉致され行方不明となっている横田めぐみさんの父・横田滋氏が亡くなった。
87歳。
娘を取り返すために全国を行脚した横田氏の思いは想像してもしきれない無念さがある。
最初は拉致そのものを信じてもらえず1987年に発生した大韓航空機爆破事件でその存在が現実として初めて認められた。
それまで社会党や共産党のような北朝鮮にすり寄る人々にとっては横田氏たちは邪魔者でしかなかった。
一部の与党の議員でさえ同様であった。
時間の経過とともに事件の全貌が明らかになっていったが、それでも多くの人々は囚われたまま今日に至っている、
事件が発生して今日まで45年。
家族の苦悩はいかばかりであろうか。

北朝鮮によるこの人の行為を耳にするたびに、私は「安寿と厨子王」の物語を思い出す。
人を引き離し、そして連れ去り奴隷のごとく酷使する。
子供であろうが大人であろうが関係はない。
それから逃れるすべは逃亡するしかない。
しかしもし捕まれば命はない。
北朝鮮に囚われている人々も同様だ。
安寿と厨子王の物語では最後に厨子王が別れ行方知れずになっていた母に再会することができた。
それは事件を知った京の朝廷が正義の政治的判断を実行したからだ。

一方、横田滋氏には厨子王の母のようなその想いは叶わなかった。

現政府が朝廷のような判断と力を行使できるかどうか。
悲劇を終わらせるとために人々はそれ実行を待ち続けているのだ。


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