<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地




先週末。
京都のとある大学で異業種交流会があって、会場の大学の斜め向かいに大日本印刷の京都dddギャラリーがあるのに気がついた。
ここは以前から行ってみたいなと思っていたところなのだったが、何しろ京都市街の一番西の端っこにあるのでなかなか訪れる機会がやってこなかった。
今回はチャンスとばかりに見てきたのだ。
無料だったし。

今は展覧会は装丁家・矢萩多聞が携わった仕事を取り上げ「本の縁側」のタイトルで開催されていた。
会場内には木製の面積の大きいテーブルが配置され、そこに多くの書籍が並べられていた。
専門書から一般書。
カラフルなもの。
モノトーンなもの。
歴史書あり、小説あり。
ノンフィクション、科学本、雑誌、写真集などなど。
こんなにも多くの書籍が表紙を上に向けて並べられていることはなかなかない。
印象的なのはどの表紙も素敵で見て回っているうちにふと手にとってパラパラとページを捲ってしまうことであった。
表紙はやはり書籍の顔なのだな、とつくづく思った。
その一方、こういうリアルな書籍だからこそ、展示会場の「空間」と本という「立体物」で構成される図書本来の魅力は電子書籍では生まれない、あるいは感じられない重量感というか書籍の呼吸感と知の空気が私たち観ているものを包み込み、なんとも言えない気分にさせてくれたのであった。

壁には作家が観てきたインドの出版社の紹介や小学校で活動しているワークショップの内容などが掲示されていた。
これもまた新鮮で具体的で、なにやら心をクスクスとくすぐるような魅力に溢れ「ここへ寄ってよかった」と思わせる感動に包まれた。

本の縁側。
ゆっくりと田舎の家で縁側に座って読書をする。
そんな臭いのする展覧会なのであった。


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