<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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確か私が高校生の頃の話なので1970年代終盤のとき。
ある経済関係のニュースに、

「瀬戸内の工業地帯の総生産学は西ヨーロッパの主要諸国を合算したものに匹敵する」

というようなことが書かれていてびっくりしたことがある。
あの、ほのぼの〜とした瀬戸内海沿岸に並ぶ工業地帯はそんなに工業生産力が優れていることに驚いたのだ。
時代は40年ほど流れてかなり変わってしまったが、それでも瀬戸内海沿いに並ぶ工業地帯は東は大阪・神戸から西は下関・北九州まで今の日本のものづくりを支える一地域であることは間違いない。

その工業地帯を結ぶ大きなインフラの1つがJR山陽本線だったのだが、その大動脈が先般の大雨で不通になっている完全復旧は年内ギリギリだという。

東日本大震災以来、省エネ物流として人気が復活し、絶好調の鉄道貨物がこのため東西を寸断された状態が続いている。

ここで浮かぶのが、
「なんで山陰本線を経由しないのか」
ということ.

ところがそれが容易ではない。
なぜなら山陰本線は京都から下関までバッチリつながっていてダイヤ通り運行しているのだが、ほとんどが単線で非電化。
畢竟、スピードばかりではなく運行する本数にも限界があり山陽本線の代替えにはなっていない。
今どき東南アジアの鉄道といいとこ勝負のローカル長距離路線なのだ。

阪神大震災の時は不通区間が神戸と大阪の間だけということもありJR伯備線とJR福知山線の2路線と組み合わせて代用されたが、今回はなんといっても岡山広島の広域が不通になっているし、阪神大震災で活躍した山陽と山陰を結んでいる全線電化済みの伯備線はほとんど全線が災害で不通。

ローカル新幹線を計画しているのであればホントに必要なのは、

「急げ!山陰本線の全線複線と電化工事」

このことを誰も言わないのは、みんな山陰地方のことはカニと温泉以外は忘れているのだろうか。



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