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映画「ルパン三世 カリオストロの城」に登場する銭形警部は国際刑事警察機構に所属する警視庁から出向している刑事という役柄だった。
ルパン三世を逮捕するために銭形のとっつあんはICPOに所属して世界中を飛び回っているという設定なのだ。
で、実際にそんな役職はこの機構には存在しておらず、あくまでもアニメの中でのフィクションなお話。
国際刑事警察機構、つまりICPOの役回りは犯罪に関わる情報を加盟国家間で共有して犯罪の摘発や防止に役立てる組織なのだ。

その組織の総裁に中国人が就任した。
ICPOの総裁選びの仕組はどうなっているのだろうか?

新聞報道ではこれまでもジャーナリストや政治犯などの情報を中国やロシアが悪用して、その人権抑圧に利用してきているのだという。
ICPOの本来の目的とは大きく異る利用法がなされているのだ。
そのような状況の下でトップに中国人が就くとどうなるのか。
結果は考えたくもない悲劇を招きそうだ。

そもそも犯罪に関わる善悪の捉え方は文化や歴史、政治状況により大きく異る。
例えば「金を貸した取り立てに腹を立て相手を刺殺してしまう」というのは誰が見ても犯罪だが、「新聞に書かれている論評が政権与党の意に沿わないから逮捕する」というのは、少なくとも日本人の視線からすると犯罪ではない。
さらに分かりやすい例を取れば、
「安倍晋三首相は息をするようにウソをつく」
と日本国内で発言しても品位が疑われるかもしれないけれども法的な犯罪ではない。
でも、もし、
「習近平主席は息をするようにウソをつく」
と北京の町中で発言したら、即刻逮捕。もしかすると死刑になるかもわからない。

このように政治的、思想信条がからんだ内容ほど国家ごとに犯罪カテゴリーに関わる考え方が異なるのだ。

中国人総裁誕生によりICPOの情報はより自由でフレキシブルに言論の自由がなく政治的弾圧の大好きな国で利用しやすくなるわけだ。
銭形警部本当にいたら、
「おお、ルパンょ〜〜、ICPOも変わっちまったよ〜〜」
と大いに失望しているところなんじゃないだろうか。

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