<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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東京オリンピックが見苦しい。

国際オリンピックは1985年のロサンゼルス・オリンピック以降、ビジネスが重要な位置を占めてしまい本来の目的である「国際親善」「アスリートの祭典」という部分が蔑ろにされている。
なんでもそうだが、イベントというものが社会的価値を持つと、それで金儲けをしようと企む人々が登場する。
そしてそのビジネスが上手く行きだすと、多くの点でグレーゾーンと利権が発生し、やがて市井のものには理解不能な摩訶不思議な取引が発生するのだ。

今回の国立競技場の建替え問題しかり、応援者のユニフォーム然り、シンボルマークしかりで何がなんだか分からない展開なのだ。

そもそも国立競技場で2500億円というのは、ありゃなんだ。
2500億円というと、先日ギリシャが債務不履行に突入しそうになったときに返せないお金の金額として報道されたものとほぼ一緒。
日本で一番ノッポのビルあべのハルカスの総工費が760億円、ノッポのタワー東京スカイツリーが650億円。
それを考えると新国立競技場の総工費は馬鹿げている。
デザイン出てきた時に「予算は?」って誰も訊かなかったのか不思議なのだ。

ユニフォームはよりによって韓国の業者に発注。
一着のお値段25万円でこれも揉めている。

予想しなかったのはトレードマークでベルギーの劇場のマークに似ているからどうのこうのと、それならフランスやイタリアの国旗は色の配置が良く似ていますけど、あれパクリですか?
日本が大嫌いなお隣韓国の国旗も日の丸を立てにふにゃふにゃに切って左右の色を塗り分けてまわりにヒゲを生やしただけではないか、と叱られそうだが、子供の頃からそう見えてしかたなかった。

どれもこれもお金に絡む問題だ。

翻って1964年の東京オリンピック。
色々な文献を読んでみると素朴でコマーシャルイズムなんかあまりない。結果的に今のオリンピックの手本のひとつになっただけで、当時の日本人は成功させるために「手弁当で」必死だった。
儲けを考えていた人たちもいただろうが、バブルの経験もない素朴な日本人は総動員で協力し、応援したのだろう間違いがない。

アジアで初めてのオリンピック。
世界ではじめてのピクトグラフ案内。
世界ではじめての各国混成閉会式。
どれもこれも結果としての国際オリンピックなのであった。

尤も当時1歳の私はちっとも覚えておりませんが。

そんなこんなでオリンピックには素朴さが大切。
だから古いCMではないけれども、
「素朴さのない東京オリンピックなんか、クリープを入れないコーヒーみたいなもんだ」

これも私はクレープ入れて飲みませんけどね。

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