<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



今日はちょっと辛口のブログです。

大阪難波にY電機の大型店が開店したのは数年前。
地下1階、地上4階。
広大な販売フロアに8階までの駐車場。
南海電車の線路沿いに立てられた、その威容は、いやが上にも目立っていた。
東京は秋葉原と並ぶ大阪の電気街・日本橋筋商店街の玄関口近くにあたるため、

「おお!関東の量販店がついに日本橋に殴りこみか」

と話題を集めたものだった。
おまけにロケーションはいまや唯一の関西資本の家電量販店・上新電機の本社近く。
益々、地元のボルテーションは上がったものだった。

ところが、このY電機なんば店は、休日に行っても結構空いているお店。
平日ともなるとガラガラで、

「これで経営成り立つの?」

と、思わずこっちが心配になるほどの閑古鳥が鳴いているのだ。

立地が悪いのかというと、そんなことはもちろん無い。
隣接するなんばパークスは連日買い物客で賑わっているし、近々には南側にライブハウス「ZEPP OSAKA」が引っ越してくるような立地なのだ。

この巨大量販店。
何がいけないのかというと、店内を歩けばすぐにその理由がわかってくる。

品揃えが少ないのだ。
たくさん商品はあるが、種類が少ない。
量販店だが、専門店の顔が全くない。

普通、ヨドバシカメラやビックカメラへ行くと量販店だということに加えて品揃えが豊富で、他店では売っていないようなマイナーな製品が在庫されている。
例えば、カメラ用の防水ケースや旧型デジカメのバッテリー、それもサードパーティ製の製品が置かれていたりするのだ。

ところがY電機のなんば店は郊外の同社大型店と同じで、売れ筋商品中心。
仕事で使いたい、「ちょっとした製品」がまったくと言っていいくらい置いていない。

「なんで、わざわざこの場所で開業したの?」

と思わせるようなチープな品揃えなのだ。
売れ筋商品の在庫は多いけど、マイナーないわゆる「痒いところに手の届く」製品は見当たらない。

私は別にアンチY電機では決して無く、家の近くの同店には、ときどき電池やCD-Rなどを買いに行く。
ポイントカードも持っているのだ。
ところがなんば店を見る限り、立地と品揃えのセンスの無さに他人の会社ながら疑問を持たずにはいられなくなる。

例えば以前、Macのソフトウェアを買いに行ったら、
「Macはあまり置いていません」
と宜もない。
本体はあるけど、ソフトウェアは買う人が少ないのか、フォントも、グラフィックソフトもほとんど置いていなかったのだ。
Macの本質を知らないのなら、扱うのは止めにしたら、と思ったものだ。
これが他の量販店になるとちゃんと置いていて買い物にあまり困らなかった。
畢竟、ここへ製品を探しに来ることは少なくなり、ヨドバシやビックに行くことが増えていく。

久しぶりに訪れたら疑問に思うことが増えていた。
地下一階にブランド物専門店が移ってきていたのだ。
GUCCIとかHERMESなんてブランドのバックや貴金属が売られていた。
その高級ブランド売場のすぐ近くに、スーパーマーケットよろしく日用雑貨品の売り場があり、洗濯剤やティッシュなどが販売されている。
ムードは下町。

こんなところでブランド物を買う人がいるのだろうか。

店舗の雰囲気作りは重要な要素。
P&Gの洗剤見ながら高級時計が欲しくなるとは思えない。

とはいえ、家電量販店市場は曲がり角に差し掛かっているようで、ビックカメラがメガネを扱うことを正式に発表。
日経の記事を読んで驚いた。
もしかすると、日用品と家電品、ブランド品を一緒に並べて販売する日が遠からず来るのかもしれないと思ったのであった。

ちなみに、そういう売り方をしていた大阪の和光電気は随分前に倒産した。
時代は繰り返す、ということなのだろうか。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )