<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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(日本の中古車が走りまわるヤンゴン市内。なんといっても「新宿行き」のバスがそのまま走っていたりしてビックリする。歩道の穴ぼこに足を取られないように歩くのがコツだ)

海外旅行に出かけて、何が不便に感じるかというと、コンビニがない国に入った時は結構不便に感じることがある。

10年ほど前に初めてベトナムを訪れたき、コンビニがなく久しぶりにコンビニの無い都市というものを経験し、
「ほほー、コンビニってないと、意外に不便なんだ」
と新鮮に感じたのだ。

考えてみれば私が子供の頃の昭和40年代はコンビニなんかなかったのだ。
パンや駄菓子、その他もろもろを買うためにお使いに出される時は近所にあった八百屋もやっているシキシマパンのお店があって、十円玉や百円玉を握って、

「おばちゃん、コロネちょうだい」

とか言って買い物をしたものだ、

コンビニが初めて近所に登場したのはいつの頃だったか。
今ではすっかり忘れてしまったが、昭和50年代中頃の中学生だったか、高校生だったころのように記憶している。

今ではコンビニは日本の津々浦々。
かなりの田舎へ行っても背の高い看板を掲げて夜でも煌々と灯りを照らして営業しているコンビニを目にし、いささかしらけ感も感じつつ便利な世の中になったことを空気のように、無関心でいるものだ。

東南アジアでもタイではセブンイレブンとファミリーマートがいたるところにあって、ちっとも不便を感じない。
コンビニは言葉ができなかったも買い物ができる便利さがありがたいが、ちっとも日本と同じ店構えに似たような陳列だとちっとも面白くなく、バンコク滞在時の私はあえてコンビニに立ち寄らず、一般商店で買い物にトライし、恥をかいてはいい思い出を作るように努力しているのだ。

ベトナムでも2年前に行った時は、コンビニが出現していて愕然としたものだ。
経済発展とコンビニチェーンの展開は表裏一体なのかもしれない、とも思った。

このコンビニの無い、東南アジア唯一の大国がミャンマーだった。
私はミャンマーが好きで度々訪れては、
「ヘンなところに行くね」
と物珍しがられていたのだが、昨年から始まった急激な民主化で注目が集中。
もとからの親日国ということもあって、ビジネスチャンスとばかり相当数の日本人が押しかけているのだという。

そこで登場するのがコンビニチェーン。

先週の新聞報道でこのミャンマーにローソンが出店するのだという。

先述したようにバンコクにはファミマ、セブンイレブンがいたるところにあり、
「ここは日本か」
と文句を言いたくなるときがあるのだが、ミャンマーにもローソンがあちらこちらに出来上がるとなんとも無粋でいただけない。

黄金のパゴダ。
緑あふれ、色とりどりの花が色づく公園。
民族衣装ロンジーと白いワイシャツが目に眩しい、陽気な人々。
真っ青な空。

そこにローソンの看板は、旅行気分を台無しにされるんではないかと、いささか歓迎しない、私なのであった。

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