<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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関西では知らないものはいないお笑いトリオというかクインテットというか、そのチャンバラトリオの名物オッサン、カシラこと南方さんが亡くなった。
享年77歳。

チャンバラとリオというと「お仕置き」と称してハリセンでバシッ!とぶん殴るのが有名だった。
大阪名物「ハリセンチョップ」。
その南方さん、もといカシラのハリセンも、生で見ることは永遠にできない。
かなり寂しい。

私の場合、芸人さんが死去したというニュースを聞くと映画スターやスポーツ選手が死去したというニュースよりも時代の流れを強く感じてしまう。
他の人はどうなのだろうか。
正直、不謹慎ながら述べてみると、過ぎ去りゆく時代を感じさせるのは、森繁久弥よりも藤田まこと、藤田まことよりも三遊亭円楽、三遊亭円楽よりも南方さん、という図式が成り立ってしまうのだ。

私の世代の大阪人はガキの頃には一度は図工の時間に画用紙を折りたたんでハリセンを作った経験があるはず。
もちろん私も作ったことがあり、それでもって罪もない友達を突然ぶん殴る、なんてことをやって叱られた経験がもちろんあるわけで、それだけにチャンバラトリオの漫才への親しみは南方さんと共にあったと言っても過言ではない。

本格的な殺陣。
不真面目の中に存在する真剣な剣劇はチャンバラトリオの最大の魅力だった。
いわば桂枝雀の緊張と緩和理論に於ける「剣劇」は緊張、「ハリセン」は緩和で、見事に笑いを成立させていたというわけだ。

あのネットリした話し方。
誰かがモノマネしたカシラの話し方にMBS角純一アナウンサーが笑い転げていたのも懐かしい。

またひとつ、笑いの時代が逝った。

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