<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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NHK大河ドラマ「龍馬伝」で吉田松陰の黒船密航計画を描いた。
そしてなんと、そこで松陰先生と坂本龍馬が出会ってしまったのだった。

Oh! Ryoma meets Syouin!

このドラマ、面白いのは認めなければならないが、歴史が創作されるのは度が過ぎているのではないかと思う。
とりわけ凄いのは岩崎弥太郎のキャラクター表現で、よくぞここまでディフォルメして三菱グループから文句が出ないものだと感心するくるらいハチャメチャさがある。

さらに土佐藩の上士(山内侍)と下士(長曾我部侍)の身分差の表現は度をこしているのではないかと思えるほど、凄まじい。
まるで往年の銘テレビドラマ「ルーツ」を思わせる身分差なのだ。
さながら岩崎弥太郎はクンタ・キンテと呼んでも過言ではない。
キンテと岩崎の違いは足の先っぽを切り落とされているかいないかの違いでしかないかもわからない。
ともかく、龍馬伝を見る限り「土佐藩」は日本ではない。

で、問題の龍馬が松陰先生に出会ったという下りだが、分かりやすいといえば分かりやすいものの、超がつくほどハチャメチャなので、ここで私は一挙に興ざめてしまったくらいなのであった。
しかも松陰先生が黒船でどのように対応し、また米国側がどのような意味で松陰のアメリカゆきを認めなかったのかなど、ほとんど省略してしまっていたのであった。
さらに生瀬というか(旧名 槍魔栗三助=探偵ナイトスクープの探偵時代の芸名)が演じる松陰先生はあまりにも現代的。
松陰寅次郎というよりも太陽学園の先生といった趣なのであった。

私は吉田松陰を演じた役者では篠田三郎が強く印象に残っている。
「花神」という司馬遼太郎原作のドラマで、それこそ黒船にたどり着くまでの苦労や、黒船にたどり着いてからの経緯もきちんと描かれていたのであった。

爽やかすぎる龍馬が好評のようだけれども、このままいくとこのドラマ、龍馬が誰に会うことになるのか予想がつかない。
もしかすると徳川慶喜や睦仁親王(明治帝)にも出会ったりするのかも分からない。
恐るべし、大河ドラマ。

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