<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



思えば初めてミャンマーを訪れてから5年半が経過した。
ブログも古いところから、この「宇宙エンタメ前哨基地」などという、わけのわからないタイトルのブログに引越を試みている最中である。
それに今年は仕事が忙しく一度も海外脱出を図れていないことを鑑みて、これから初めてミャンマーを訪れた時の旅行記を連載したいと思う。

連載したい、と言いながら、その実「手抜きブログちゃうの?」と言われてしまいそうだが、それもまた、事実かも知れない(汗)。

ということで、日本国内のテレビ番組でも度々紹介されている、ミャンマーのあのゴールデンロックことチャイティーヨーパゴダへの旅行記の始まり始まり。

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「あの...ビザがありませんね。」

タイ国際航空のチェックインカウンターのお姉さんが私のパスポートをぺらぺらと捲って言った。

「ビザがないとミャンマーまでの搭乗券は発券できないんですけど。」
「あ、ビザね。アライバルビザ申請してますから。」
「アライバルビザ?」

ひと月前、ミャンマーへ旅行することを決めた私は観光ビザを取得するために大阪のOAPにあるミャンマー連邦大阪総領事館を訪れた。

大阪アメニティーパーク。

このOAPという所は大変不便な場所で、地下鉄は通っていないし、最寄りのJRの駅からもかなりの距離を歩かなければならない。
帝国ホテル大阪という高級ホテルがあり、三十階建ての高層ビジネスタワーがある割には、まったくといっていいほどの陸の孤島なのだ。
ここ陸の孤島へ向かうには市バスが一番歩かずに済む交通手段だ。しかし、どこから、そしてどこ行きのバスに乗車すればいいのか、さっぱりわからない。わかるのは市販の地図に載っている停留所の名前だけである。
ともかく私はその日、地図に示された停留所へ「これなら行くだろう」と目星を付けたバスに大阪駅前から乗り込んだのだ。

バスは途中まで順調にOAPに向かって走っていた。ところがOAPまでまもなくというところにある大きな交差点で予想外の方向に曲がり、まったくあさっての方角に向かって走り出したのだった。
それでも暫くは、きっと一方通行や大型車通行止めなどの理由で遠回りをしてるんだ、と考えたりしていたが、次第にどんどん離れていっているような気がしないでもなかった。
そして出発地点の大阪駅から眺めるよりも遥か遠くにあるOAPタワーを望むにおよび、慌てて降車ボタンを押して下車したのだった。
ちょうど降りた停留所の近くに地下鉄の駅があり、そこから地下鉄に乗って振り出しの大阪駅へ戻った。

再度市バスにチャレンジすべきか。私は迷った。

ここでバスで行くことを諦めてしまうと、なんとなく大阪市交通局に敗れたような気がするので悔しい。
しかしあれこれ思案した結果、JRの電車に乗って最寄りの駅で下車し、かなりの距離を歩いてOAPに行くことにした。
始めから素直に電車を利用していれば三十分ほどで着いていたのに、全線定期を持っていてタダだからという理由で、わざわざ慣れぬ市バスに乗ってしまったために二時間近くもうろうろしたことになった。

急がば回れである。

なぜこうまでしてミャンマー領事館へわざわざ出かけたかというと、やはりビザは領事館で自ら取得するのが一番安上がりだと考えたからだ。
昨年、ベトナムへ行くために観光ビザを取得した。
このとき航空券を買った旅行社のオバハンは
「うちでビザを、お取りしましょうか。」
と言ってくれたのだが、いくらかかるのか訊いて見ると一万円だといった。
手数料がかかるとはいえ一万円は高すぎると思った。
そこで仕事をサボって自ら堺筋本町にあるベトナム領事館を訪れるとわずか五千円でビザを発行してもらえた。
ミャンマーにしても同じだろう。
だから今回も安くビザを入手するためにくどいようだが仕事をサボってミャンマーの領事館を訪れたのだ。

つづく




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