現在の時刻7時25分。台風が近づいています。
進路予想をみると、広島市にとって最悪のコースを進んでいます。
広島県西部は北東から南西に向かって断層谷が形成されていて、
それに沿って風が吹くと強風になることが知られています。
夜遅く最接近するのでその時間帯の外出は控えるようにしましょう。
初回記 2018.04.27
広島市に影響を与えた台風の中で、
最大瞬間風速が速かった台風のトップ3は、つぎのとおりである。
広島県内で死者・行方不明者が2000人を超えるなど被害が甚大であった1945年枕崎台風はトップ3に入っていない。
枕崎台風による広島市の最大瞬間風速は45.3mだった。
トップ3が20世紀の終りから21世紀始めに集中しているので、
地球温暖化が関係していると早合点する人がいるかもしれないが、地球温暖化は全く関係ない。
なぜ1991年~2004年の間に集中しているのだろうか?
これは偶然としか言いようがない。
以下に三つの台風の進路図を示す。
進路図は「デジタル台風:台風画像と進路予想」の画像データを使用した。
■ 1991年19号
■ 1999年18号
■ 2004年18号
三つの台風は同じような経路を進んでいる。
九州の西岸を迂回して日本海に抜け北東に向うコースだ。
勢力を維持しながらこのコースを進むと広島に強風が吹く。
広島市を中心とした地形図を示す。
広島県西部の地形の特徴は、北東から南西方向にのびる断層谷が、幾重にもわたって形成されている点にある。
したがって、谷筋に平行に風が吹けば風速がはやくなるのは容易に予想できる。
広島平野に着目すると、広島湾から可部まではほぼ一直線の谷であり、途中に障害物がなにもない。
東西の山が風洞の端板のような役割を果たすので、風は一方向に集約され、そのため風速は増加する。
台風の中心が浜田付近にあるときに、そのような風況パターンになる。
地形の影響を強く受けているので、広義の局地風と言えるのではないか。
補足
台風が西側を進むときは、台風の移動速度が風速に加算される。
1991年19号台風は移動速度が特に速かった。
(つづく)
■ 被害
・1991年19号台風
宮島社殿被害(2004年18号でも被害を受けた)
・1999年18号台風
三菱重工業㈱広島製作所江波構内コンテナクレーン倒壊
・2004年18号台風
護岸の損壊