見てあれば見てあるほどに柘榴花くれなゐ燃えて枝にそよがず
触れがたきものにこそあれ水無月の曇りのかげに咲ける柘榴花
或時はひつそりとして葉がくれに悲しめるごとき花ざくろ花
日のひかりかげり来れば枝枝の柘榴の花は揺れてそよげり
梅雨晴のわづかのひまに出でてみる庭の柘榴の花はまさかり
散りたまる柘榴の花のくれなゐをわけてあそべり子蟹がふたつ
欅の木椎の木の葉のしづもりの蔭に燃えたる花ざくろ花
(若山牧水)
見てあれば見てあるほどに柘榴花くれなゐ燃えて枝にそよがず
触れがたきものにこそあれ水無月の曇りのかげに咲ける柘榴花
或時はひつそりとして葉がくれに悲しめるごとき花ざくろ花
日のひかりかげり来れば枝枝の柘榴の花は揺れてそよげり
梅雨晴のわづかのひまに出でてみる庭の柘榴の花はまさかり
散りたまる柘榴の花のくれなゐをわけてあそべり子蟹がふたつ
欅の木椎の木の葉のしづもりの蔭に燃えたる花ざくろ花
(若山牧水)