“相手の立場に立つこと”“相手を尊敬すること”そして“先読みすること”
私は現役の頃から朝のラッシュが嫌いで、相当に早く出勤していた。渋滞で時間を費やすよりも、自宅を少し早く出ることで、時間が有効に使えるとの考えからだ。出勤する前に、喫茶店に入ってモーニングを楽しみつつ、仕事の進捗状況の確認や新規の企画などを考えるのを常としていた。新聞全てに目を通すのも、毎朝の仕事としていた。
そんなことが習慣となっている訳ではないが、今でも出勤日には朝早く家を出る。起床は5時、家を出るのは7時だ。今日もそのパターンだった。
ところで、今朝ネットで見つけのだが、「気が利く」行動のためには、「“相手の立場に立つこと”“相手を尊敬、または尊重すること”そして“先読みすること”の3つを心掛けておくといい」そうだ。
この3つの中で、私がとりわけて注目したのは、「相手を尊敬すること」だ。どんな人にも良さがあるし、魅力がある。リスペクトしつつ対応すると、相手の方のこちらへの対応が変わってこようというもの。
ただ、私のように不器用で人見知りするものにとっては、「気配り、目配り」は大の苦手で、「気が利く」とは無縁で人生の幕を引くような気がする。ただ難しくはあるが、せめて「相手を尊敬する」気持ちだけでももって、生きたいと思う
宇田川悟著『最後の晩餐』を読んだ、私的の最後の晩餐はぜんざいかあんパンかな!?
先に読んだ小高賢著『老いの歌』の本の中に、次のような句があった。「黒パン二枚よりはましかと呟きて朝昼晩といなりずし食いぬ」(清水房雄)。我が食事も、日頃はだいたいそんなものだ。
そんな私だが、「今生の別れに食べたいものは」と自問自答する時がある。そして、その次には返答に窮している自分がいる。 他の方々は、「最後の晩餐」にどんなものを食べたいと願うのだろうか思ったりもする。そこで、まさにぴったりの題名の本があることを知り、図書館で借りて読んだ。
宇田川悟著『最後の晩餐 死ぬまえに食べておきたいものは?』(晶文社刊)だ。この本は、フランスの社会・文化・食文化に詳しく、フランス政府農事功労章シュヴァリエを受賞している宇田川悟が、16人の方々との対談が掲載されている。
ゲストが各々食についてのこだわりを語り、例えば逢坂剛は「豚カツ」について熱く語っている。ゲストのみなさんは、さすがに食についての豊富な知識とこだわりを持っていらっいゃる方々で、縦横無尽に語られている。
そして対談の最後で、「最後の晩餐として食べたいものは?」と尋ねて、例えば女優の岸恵子は「白い御飯」、先の逢坂剛は、「豚カツにカレーをかけて食うカツカレー」が食べたいと語っている。答えとして面白かったのは、作家の島田雅彦の「鮒鮨。その理由は、死後、自分の肉体を乳酸菌の巣とするため」というのが、とても面白かった。やはり、十人十色だ。
みなさん食についてすばらしく博識であり、私なんぞはとてもついて行けなかった。ただ、最後の「最後の晩餐には何を食べるか」という問いへの答えは、楽しく読ませてもらった。
ところで、私に「最後の晩餐」として何を食べるかと聞かれたら、今のところはぜんざいかあんパン程度しか思い浮かばない。やはり貧しい食生活だ。そして今生の別れの際には畠瀬本店、たのたの庵、そしてプチマリエの三つのお店のランチを食べてから死にたいと、今のところは思っている。