地底人の独り言

いつまでもみずみずしい感性を持ち続けて生きたいと願いつつ、日々の思いや暮らしを綴っていきます

最後の晩餐

2011年11月07日 | 読書

  

宇田川悟著『最後の晩餐』を読んだ、私的の最後の晩餐はぜんざいかあんパンかな!?

 先に読んだ小高賢著『老いの歌』の本の中に、次のような句があった。「黒パン二枚よりはましかと呟きて朝昼晩といなりずし食いぬ」(清水房雄)。我が食事も、日頃はだいたいそんなものだ。

 そんな私だが、「今生の別れに食べたいものは」と自問自答する時がある。そして、その次には返答に窮している自分がいる。 他の方々は、「最後の晩餐」にどんなものを食べたいと願うのだろうか思ったりもする。そこで、まさにぴったりの題名の本があることを知り、図書館で借りて読んだ。

 宇田川悟著『最後の晩餐 死ぬまえに食べておきたいものは?』(晶文社刊)だ。この本は、フランスの社会・文化・食文化に詳しく、フランス政府農事功労章シュヴァリエを受賞している宇田川悟が、16人の方々との対談が掲載されている。

 ゲストが各々食についてのこだわりを語り、例えば逢坂剛は「豚カツ」について熱く語っている。ゲストのみなさんは、さすがに食についての豊富な知識とこだわりを持っていらっいゃる方々で、縦横無尽に語られている。

 そして対談の最後で、「最後の晩餐として食べたいものは?」と尋ねて、例えば女優の岸恵子は「白い御飯」、先の逢坂剛は、「豚カツにカレーをかけて食うカツカレー」が食べたいと語っている。答えとして面白かったのは、作家の島田雅彦の「鮒鮨。その理由は、死後、自分の肉体を乳酸菌の巣とするため」というのが、とても面白かった。やはり、十人十色だ。

 みなさん食についてすばらしく博識であり、私なんぞはとてもついて行けなかった。ただ、最後の「最後の晩餐には何を食べるか」という問いへの答えは、楽しく読ませてもらった。

 ところで、私に「最後の晩餐」として何を食べるかと聞かれたら、今のところはぜんざいかあんパン程度しか思い浮かばない。やはり貧しい食生活だ。そして今生の別れの際には畠瀬本店、たのたの庵、そしてプチマリエの三つのお店のランチを食べてから死にたいと、今のところは思っている。

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