「双蝶々曲輪日記」など歌舞伎の舞台と華やかさに魅せられた感激・観劇ツアー
昨日は、「おかやま・歌舞伎・観る会」主催の「大阪松竹座7月歌舞伎大芝居」観劇ツアーだった。大阪松竹座の「7月大芝居」は、「関西・歌舞伎を愛する会」が30年間開催し続けてきていて、今年は「30周年記念」と銘打たれていた。
昨日の「弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい) 道頓堀芝居前」で、今月の座頭の片岡仁左衛門を始めとする幹部俳優が、お芝居の形で立ち姿でのご挨拶(「口上」と同じで観客サービス)を述べたが、いずれも「関西・歌舞伎を愛する会の30年」に感謝を述べていた。
この「関西・歌舞伎を愛する会」は、大阪のM労働組合が発起人となって、「関西歌舞伎を育てる会」を立ち上げ、その活動を通じて、今日の関西歌舞伎の隆盛に大きな貢献をされている。私たちの「歌舞伎・観る会」も市の職員労働組合が立ち上げを呼びかけており、その意味では感慨深く、幹部俳優のみなさんのご挨拶を聞いた。
ともあれ、そのことを「(片岡)仁左衛門歌舞伎」を興して、懸命な努力を重ねられた片岡仁左衛門の名跡を引き継いだ現・仁左衛門が語るのだから、言葉の重みがある。
ただこの口上の輪の中に、「仁左衛門歌舞伎」を引き継ぎ発展させた「歌舞伎鑑賞教室」を今も守り続けている長男・片岡我當丈がいなかったのは、何とも残念な気がした。
さて、昨日は、いつもは「昼の部」を観劇するのだが、お芝居の演目や「歌舞伎・観る会」が常日頃お世話になっている上村吉弥丈が「夜の部」のみへのご出演ということもあり、「夜の部」を観劇した。「夜の部」の舞台は、夕方16時に開演して、ナント終演は21時だった。
昨日は舞台はとても面白く、まさにたっぷりと観劇できた。「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」は、「井筒屋、米屋、難波裏、そして引窓」とたっぷり2時間半楽しませてくれた。歌舞伎の醍醐味を堪能できた。
とりわけて、「米屋」の場では、上村吉弥丈が初役の「おせき」役を、しっかりとこの場の中心として演じていて、感動だった。また上村吉弥丈は「弥栄芝居賑」でも出演して口上を述べ、市川染五郎の「竜馬がゆく」でも「寺田屋・お登勢」を演じて、夜の部の三本とも出演は、とても嬉しかった。
「竜馬がゆく」風雲篇は、歌舞伎とは言い難いお芝居だが、今人気のNHK大河ドラマの「竜馬伝」を意識しての作品選択であろうが面白く観せてもらった。
なお、昨日は楽屋へ上村吉弥丈をお訊ねしたら、上村吉太朗丈がお母さんとご一緒におられた。小学校4年生と聞くが、ご挨拶もキチンとでき、とてもしっかりしていた。さすが、歌舞伎の世界で鍛えられていると違うな感じた。吉弥丈も吉太朗丈、さらに大きく羽ばたいて欲しいと願う。
そう言えば、松竹座の売店があるロビーには、歌舞伎座のロビーに展示されていた歌舞伎俳優たちの胸像が、展示されていた。歌舞伎が建て替えられたら、また東京へ戻ると思われるので、胸像の数々を見られるのもその間の楽しみだ。