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川口市立の3高校、統合へ

2012-06-02 06:45:19 | 気になる 地方自治・行政

 5月29日朝、職場で埼玉新聞を読んだところ、川口市が設置している市立3高校を統合し、新校1校を2018年度に開校と決定したとのことだ。

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 現在ある3高校
 〇川口総合高校
 〇川口高校
 〇県陽高校
 これらを統合(廃止)し、2018年度に新校を開校することになる。

 記事要約
 新校の位置(場所)は、川口総合高校(同市上青木)の敷地。新校舎を建設する。
 新校舎は2015年度着工、’17年度完成予定。
 川口高校(同市朝日)敷地を第2グラウンドとして使用する。ここは、更地になる。
 川口総合高校、川口高校校舎は、いずれも老朽化が進んでいる。’18年度に解体。
 県陽高校(同市並木)も更地になるが、跡地をどう使うかは決まっていない。

 川口市では’09年11月、市教育長の諮問機関「川口市立高等学校在り方審議会」を設立し、審議会は昨年年1月、『3校を新たな高校1校に再編・統合する』という答申をしていた。

 去年あたりから、話題になっていた。

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 埼玉新聞の他、読売のウェブサイト等で記事を読んでみると、まあ、大体聞いていた話しだった。ただ、規模がかなり大きな学校になりそうだ。
 入学定員はこうなっている。
 〇全日制普通科400人(40人×10クラス)
 〇同・理数科80人(40人×2クラス)
 1学年12クラスで480人、3学年で36クラス。計1440人。
 〇定時制総合学科120人(4学年で480人)

 Yomiuri Onlineでは、『現在の3校は、’17年度で生徒募集を停止し、最後に入学した学年の卒業をもって閉校とする。』とあった。市立高校のウェブサイトにも、以下のように記載があった。一部引用する。

 2 新校基本計画の骨子
 (3)開校年度
 新校の開校は平成30年度とする。
 対象校は平成29年度をもって生徒募集を停止し、当該年度入学生の卒業をもって閉校とする。新校開校年度、対象校は新校との一体感を醸成し学校の活力を維持するため、新校に移転する。

 2018年、新校の母体となる学校のうち、市立高校、県陽高校の生徒は、通学先が変わることになるのかな。2018年度、現在の総合高校の正門には、新校と総合、市立、県陽高校合計4校の看板がかかることになる。
 平成30年度は2018年である。この書き方だと、'17年度は募集すると、とれる。各学校の生徒数の推移はこんな感じだろうか。
 生徒数は川口市立高等学校通則にある、平成24年度現在のものを準用した。

年度 総合高 市立高 県陽高
全日制
県陽高
定時制
新設
市立高
全日制
新設
市立高
定時制
2017 840 960 480 480
2018 560 640 320 360 480 120
2019 240 320 160 240 960 240
2020 - - - - - - - - - 120 1440 360
2021 - - - - - - - - - - - - 1440 480

 2017(年)は、同年に各校に在籍している(であろう)生徒数。3校の全日制課程の定員(入学定員×学年数)、定時制は4学年分である。今年はどうかというと、総合高校、市立高校、県陽高校(全日制)の1学年定員合計は2280人。埼玉新聞によれば、実際は2295人が在籍してる。県陽高校定時制は298人が在籍。こちらは定員をかなり下回っているが、新設市立高定時制は定員をそのまま維持すると記事にはあった。

 3校の設置学科、定員は以下の通り。
 総合高校は全日制総合学科設置校。学校全体で840人が定員。280人が入学定員。
 市立高校は全日制で普通科、国際ビジネス科併置校。普通科240人、国際ビジネス科80人が入学定員。
 県陽高校は全日制定時制併設校。全日制は普通科80人、定時制は普通科、商業科併設。普通科は80人、商業科は40人がそれぞれ入学定員。
 新校は全日制、定時制とも単位制に移行する。

 埼玉新聞によれば、新校で必要となる先生の数は80人。現在3校には150人の先生がいる。通常の定年退職では減らせない。県立学校への異動、市立中学校への異動のかたちで、何とかしなければならないことになる。ただ、1年間でいきなりそれだけの異動をする必要はない。現在ある各学校の学科構成、教育課程上の教科、科目の配置、そして3校の生徒は卒業するまで、それぞれの学校には、先生が必要である。いきなりそんなには動かせないのだ。何年かのスパンで異動することになる。
 年度ごとに生徒数(定員合計)がどのようになるか見てみた。
 2017年 2760人
 2018年 2480人
 2019年 2160人
 2020年 1920人 全日制課程完成年度
 2021年 1920人 定時制課程完成年度
 あくまでも定員ベース。2017年、各学校に最後の1年生が入学する場合、1年ごとに全日制課程は1学年分ずつ、在校生が減っていく。その分が新設校に移行する。先生たちも全部とは言わないが、異動することになる。
 生徒定員のピークは2017年、2760人。新校に移行完了が2021年である。全定あわせて定員は1920人になっている。ピークの70%である。これで150人の先生を80人にまで減らすのだから、やや、減らしすぎのようにも思える。

 完成年度には全日制課程は1440人まで定員が減少する。市教委としては、川口市内の県立高校生徒募集枠が急減することがないように、県教委に要望しているようだが、これはちょっと虫がよすぎるかもしれない。でも、まあ、市内の中学生に迷惑はかけられないから、数年間はクラス数を減らす計画があったとしても、ストップをかける。少なくとも検討せざるを得ないだろう。
 現在川口市内(旧鳩ヶ谷市を含む)には、県立高等学校が6校ある。カッコ内は普通科以外の設置学科。特記がない場合全日制課程である。
 〇川口
 〇川口北
 〇川口東
 〇川口青陵
 〇川口工業(全日制:機械、電子、情報通信 定時制:工業技術)
 〇鳩ヶ谷(園芸デザイン、情報処理)
 川口市内の学校だけで、市立高校3校で確保していた募集人員を引き受けることは、そう簡単なことではなさそうだ。

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 記事を読んで、実は一番おどろいたのは、理数科の設置計画である。平成24年度、県立高校で理数科を設置しているのは4校。大宮、熊谷西、松山、越谷北である。ただ、いずれも1クラスのみなのだ。ざっくりした言い方だが、専門学科の中で、理数科が一番レベルアップ、維持が難しい。市教委の望む『育てたい生徒像』にある『・・・特に自然科学分野に能力を発揮できる』生徒を募集し、確保、教育することは大変だ。乱暴な言い方であることを重々承知したうえで言えば、新設市立校の生徒集団の中で、理数系が普通科と比べて、できる生徒を集めることが絶対条件である。そして、可能であれば、県立理数科に追いつけ追い越せでなければいけないだろう。
 何をもって、『能力を発揮できる』とするかは難しい。ただ、これはあくまで人生において、そういうことができるようになる人を作る、その基礎を高校が担うという意味だろう。でも、世間的には、簡単に言うと生徒がどんどん勉強して、理系の学校にどれくらい進学できるかが勝負である。この成果を得るまで、卒業まで待たなければならない。
 どうせお金をかけるのならば、県立高校で外国語科を設置したころのように、理数科棟(実験棟兼HR教室)を、別棟で作ることも考えるべきかもしれない。お金をかけるのならば、そこまでやるべきだと思う。

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