全英連参加者のブログ

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ここは退屈迎えに来て

2018-10-24 04:00:00 | 全英連参加者 2018

「ここは退屈迎えに来て」ポスターイメージ 27歳の“私”(橋本愛)は、10年ぶりに東京から故郷に戻ってきた。実家に住みながらフリーライターとしてタウン誌の記事を書いて生計を立てるが、親にはフリーターのようにしか思ってもらえない。ある日、再会した高校時代の友人と、サッカー部のエースで憧れの存在だった椎名くん(成田凌)の話題になり、彼に会いに行くことになる。
 一方、東京に畏怖を抱くあまりに地元から出られずにいる椎名の元恋人の“あたし”(門脇麦)は、彼と過ごした青春時代の思い出が脳裏に焼き付いていて...MOVIX作品紹介より

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 橋本愛さんと、門脇麦さんが出演の作品。前々から見るつもりでした。本作は埼玉県では唯一公開劇場がMOVIX川口です。20日のMOVIXデイに見に行きました。
 橋本さんをスクリーンで見るのは、「寄生獣 完結編」(’15年4月)、門脇さんは、 「世界は今日から君のもの」(’17年7月)以来です。

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 ものがたりはのはじまりは’03年(平成15年)、主人公たちは高校3年生だったところ。その後、2013年までを描いています。
 主人公の20代後半の“私”、高卒後何者かになりたくて東京に出た。でも、富山に戻りました。
 “私”と“あたし”。二人の高校卒業後10年間のものがたり。“私”は漠然とした憂愁に包まれる27歳。東京から地元に戻ったではなく、逃げ帰った感じ。“あたし”も見事なまでに閉塞感たっぷり。くすぶっている。

 高校時代のヒーロー、椎名くんに会いに行く車中でのシーンと、’04年の高校時代、卒業後の’08年のエピソードが、ポン・ポンと入り込んでくる展開がやや複雑で、登場人物も多めな作品。でも、ひとことで言えば、椎名くんとつきあっていたり、思いを寄せたりしている人たちの10年間のものがたり、群像劇だと思います。居場所探し、もがく姿が印象的。そして痛々しくも感じる作品です。

 ネタバレになるので細かく書くことは避けますが、ラストで“私”は、東京でも、椎名くんの中でも「何者にもなっていない」ことを思い知らされます。何で最後まで“私”なのか、わかります。

 作品全体を通して描かれる空の広い街並み、高層建築のない様子。いかにも地方都市。住む人にはあきあきするものかもしれません。それが閉塞感を表しているように見えました。

 ・・・ここまでにします。

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 キャストのことをちょっと
 “私” 橋本愛さん
 実年齢22歳の彼女が、27歳の女性を演じても不自然さは感じない。やっぱりいい役者さんです。

 “あたし” 門脇麦さん
 登場シーンは少ないけど、やはり抜群の存在感。当たり前だけど「太陽」 の時とも、「世界は今日から君のもの」の時とも違う。「その人」になりきる能力はすごいと思いました。

 “新保くん” 渡辺大知さん
 渡辺さんの存在を知ったのは、昨年12月松岡茉優さん主演「勝手にふるえてろ」を見た時でした。
 本作ではかなり大事なキャラクターです。

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 終映後何かすっきり感を得られるかというと、そうではない感じ。でも、ある現実を見せつけてくれる作品だと思いました。

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