全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

センター試験、リスニングテスト

2005-10-30 05:53:16 | 気になる 大学進学

 10月20日、試験会場のひとつの東大(東京都文京区)で予行演習が行われた。参加したのは東大の教職員おおよそ60名。監督者役や受験生役で参加したことが報道されていた。
 問題用紙や解答用紙の配布。小型音声再生機のICプレーヤーやイヤホン、音声メモリーを配布。トラブルを想定して機器を交換するなど、本番に備えて練習したようである。
 毎日新聞のウェブサイトで予行練習の様子が伝えられていた。この中に以下のような記述がある。

 …リスニングテストは英語のコミュニケーション能力を重視した新学習指導要領に伴い導入された。英語受験者全員が200点満点の筆記試験と50点満点のリスニングテストを受けるが、リスニングテストの結果を成績に含めるかは学校により対応が違う。

*****

 この記事には間違いがある。間違えで悪ければ、言葉足らずである。
 新指導要領の実施にともないとあるが、これは一部本当で一部間違いである。

 現在の高校英語教育のスタイルが大きく変わるきっかけになったのは、平成6年実施の学習指導要領である。現在の大学1年生、定時制高校4年生までがこの学習指導要領に基づいて英語の学習をした(している)。その中にOCと呼ばれる科目が入り、従前にもましてコミュニケーション能力の育成・向上に英語教育の重心が移った。
 とにかくコミュニケーション能力の向上だと言うのが国家目標になり、教材開発、授業展開の検討が始まった。学校ごとに生徒の学習態度、学力など、Xが多くある中、それこそありとあらゆる要素・問題点・検討事項と格闘しながら、僕たちは生徒をいい意味で巻き込んで、英語学習のスタイルを変える努力をしてきた。
 平成6年入学の高校生が受験の時(平成9年1月)から本当ならばリスニングテストを実施しなければいけなかったはずなのに、大学入試センターや個別大学は変わってくれたのか。答はNOだ。
 いまごろ実施? 遅いんだよ!!! (怒)

 現行学習指導要領は平成15年度入学生から実施。現在の高校3年生から、記事にあるこの「新指導要領」に基づいて学習している。国内の英語教育ではこれと相前後して、英語の使える日本人の育成構想に基づく様々な英語教育授業改善が提示され、現場教師はあくせくしながら授業をしている。

 現在の3年生のセンター試験(来年1月実施予定)から英語のみリスニングテストが実施される。ようやっとである。これは筆記テストのあと、30分間50点分のリスニングテストを行うもの。外国語で英語を選択する生徒は全員受験義務がある。

 問題なのは、受験させておいてその点数を合否判定に「使わない」学校が多数あることである。

 ふざけている。高校の英語教育をバカにしている。

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 代ゼミがまとめた、『2006年度センター試験リスニング成績の利用状況(国公立)」によれば、とってもたくさん利用しない大学がある。
 …一覧表はこちらです。

 その中には東京大学もある。東京大学はリスニングテストの得点なんか使わない。
 何か、腑に落ちない。


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