tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

小室山公園 つばき園

2016-03-15 23:03:40 | プチ放浪 山道編



前にも書いたが、ツバキは日本原産。
典型的な照葉樹であり、日本の東北南部の海岸地方だけでなく、内陸部にも自生する。

ツバキの材は堅く丈夫なので古くから利用されてきた。
もっとも古くは福井県三方五湖の縄文遺跡鳥浜貝塚で発見された約5000年前の漆塗りの櫛。
また、ツバキの実は良質の油脂に富み、古代では中国への主要な朝貢品の一つだった。
埼玉県岩槻市真福寺遺跡や千葉県船橋市海老ヶ作貝塚からはツバキの実が出土しているので、古く縄文時代からツバキが利用されいたと思われる。
延喜五年(905年)に編纂された遣唐使が持参した唐皇帝への朝貢品リスト(「延喜式」の賜蕃客例条)には、海石榴油六斗の記載がある。

海石榴は日本から献上されたツバキに対して与えられた中国名。
中国人が付けた名前を遣唐使がそのまま日本に持ち帰り、それをツバキに当てた。
満州の渤海国(698-926)は、日本に使節都豪(クメン)を派遣したとき、海石榴油を所望したことが「続日本紀(797年)」に記されており、日本の特産であったツバキ油が中国以外でもでも非常に賞用されたことを示している。

「潮風に強く、西日を嫌う」ツバキ。
文学、絵画、祭事、仏事、年中行事、食生活にいたるまで、日本人の生活や文化に深く関わってきた。
ツバキは生活文化の象徴といえる。

ちなみに、伊豆大島の椿花ガーデンの山下社長によれば、
ツバキの花は「ぽとり」と落ちることから、「首が落ちる」のを連想させるといったのはただ一人。それが世に広まったらしい。
本来、ツバキは「冬枯れしない艶やかな常緑樹」で、実生でも挿し木でも殖やすことができる。
このことから、椿にまつわる伝説や信仰は、全般的に「厄除け」「長寿」「吉祥」「子孫繁栄」といったものだ。
古くは、古希や喜寿、傘寿、米寿などの賀寿を「椿寿(ちんじゅ)」と呼んでいたことからも、椿は「樹齢の長いめでたい木」であるといえる。
「首が落ちる」の言い伝えは、椿ブームがおこった江戸時代に、珍しい品種を求めて破格な取引や窃盗まで出たため、それらを戒めるために流されたもののようだ。

伊豆で農家の方から、ゆずの花をツバキ油に漬けると、芳香が油に移って本当にかぐわしい油になると聞いた。
地域に残る生活の知恵がツバキには息づいている。


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