tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

プノン・バケン

2011-10-28 20:47:54 | プチ放浪 都会編

 

彼の地の三聖山の一つと言われている「プノン・バケン」。山から見えるシェムリアップ一帯の風景はとても壮大で、夕日にあたりが染められて いく景色は生涯忘れられないものになるという。
889年に即位したヤショーヴァルマン一世は、城壁を巡らせた都市を建造した。その中心に位置したのがこのプノン・バケン。アンコール・ワットが造営される200年も前のことだ。

自然の急勾配を利用した参道を登ると広場 があり、奥にピラミッド式の遺跡がある。参道とは別の直線ルートによるが、象に乗って登ることもできる。
プノン・バケンはアンコール遺跡群の中でも最も高い位置にあるヒンドゥー教の寺院の遺跡だ。祠堂へは狭くて急な階段で、3点確保しながら上がらなければならない。・・・スカートじゃ登攀は無理。夕方、5時を回った頃から夕日を見に人が続々と登ってくる。 

熱帯モンスーン気候のカンボジアには日本のような四季はなく、季節は雨季と乾季に分かれている。雨季は5月下旬から9月下旬まで。雨季には、日中は晴れても、夕方にスコールがやってくる。ガイドが言うには、雨季に夕焼けは太陽が雲で隠れてほとんど見ることはできないそうだ。
それでも、晴れ男のジンクスを信じて待ち続けた。樹海の向こうに、太陽が沈んで行く。あたりに暮色が降り始める。
しかし、沈みゆく太陽は雲に隠れ、わずかに西の空を紅く染めはするものの、そのまま、地平線に分厚く陣取る雨雲の陰に隠れてしまった。

とっぷり暮れてしまったら街灯がなく真っ暗になるため、早く山を降りなければ危険だという。ガイドに急かされて足早に下っていく。
・・・と、駐車場に向かう途中で、物売りの少女に声を掛けられた。
「オニィサン エハガキ ヤスイヨ!」
かごに入れた絵葉書やマグネットを売っていた。
この土地に限らず、いくつもの発展途上国で目にする光景。
「お願い・・・」
哀しげに懇願する少女。ぼくは少女と目を合わせ、ただ首を横に振った。そういう人の方が多いからだろう、彼女はすぐにあきらめて、次の人に声を掛けに行く。彼女はその日の収益がなくて家に帰れないのかもしれない。彼女の悲しげなまなざしに、後ろ髪を引かれるような思いのまま、山をあとにした。  


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