飛行機の前の方に席を取ってくれたガルーダインドネシア航空の好意で、ぼくの席はエコノミー席の中央列の先頭で通路側。ほぼ満席の機内だったが隣は空席。おかげで、隣の人がトイレに立つ際にイスから立ち上がる必要も無く、ぼくは快適な空の旅を楽しむことができた。
フライト中は松葉杖が危ないので、キャビンアテンダントに預けることになる。
「フライト中は危ないから、松葉杖を預かるわよ」
「でも、トイレに行く時に松葉杖が必要なんすけど」
「大丈夫。私が連れてってあげる」
と、こんな会話をバリニーズのチャーミングなキャビンアテンダント(CA)としたのだが、いざ、トイレに立つ時にたまたま通りかかった別のCAに頼んだらすぐに話が通じた。
「松葉杖が必要なんすけど・・・・・・」
「トイレに行くのね」
ぼくの席からはビジネストクラスのトイレのほうが近かったのでそちらに案内してもらった上に、彼女はぼくがトイレから出るまで側で待っててくれていた。彼女に記念に写真を撮っても良いかとたずねるとにっこり笑って、他のCAにシャッターを頼んで一緒に写真に写ってくれた。飛行機はフィリピン上空を通過。もうすぐ赤道を超え神々の住む島へ到着するのだが、ぼくは雲の上で天使のようなCA達といろいろな会話をしていた。CAとこんなに話ができるのも松葉杖のおかげ。
彼女たちは月に5回ほどNarita-Denpasalの往復勤務があるらしい。TokyoとBalli(Bali?)ではこの時期、20℃以上の気温差があり大変だろうと心配すると、雨期のバリは陽が出ているときとスコールの間で温度変化が大きいから気をつけてねと逆にこっちを心配してくれていた。