彦四郎の中国生活

中国滞在記

庶民の生活あふれる宿舎周辺

2013-11-03 05:17:52 | 滞在記

 中国の福州に来て2か月が経過した。10月上旬の国慶節の休み明けには、少し涼しくなったので「ようやく、福州も朝や夜は涼しくなったね。」と学生に話したら、「いやいや、福州はこんなもんじゃないですよ。」と返ってきた。その言葉通り、10月中旬からは、暑さが戻ってきた。暑いので、冷蔵庫に3週間前のアイスクリームが残っていたのを思い出し、がぶりと食べたら、なんと歯根を残して歯がボキッと折れてしまった。前歯の隣の犬歯なのだが、治療はしたいが中国の歯科医院はちょつと躊躇(ちゅうちょ)してしまう。中国では、歯科医院の看板は「牙科」と書かれている。また、義歯や簡単な抜歯をする露店もある。日本で通院していた歯科医に電話をして状況を話し、来年1月下旬からの春節時期、日本への一時帰国の際に治療をすることにした。中国のアイスクリームは、日本のものに比べると、「すぐ溶けやすく、凍らせたら石のように固くなる。」ようだ。今後、要注意!

1年生の授業は、相変わらず準備が大変だが、ようやく見通しが持てるようになり始めた。3年の授業は、学生たちとかなり親しくなってもきている。先週の水曜日に、英語科の中国人の先生から、「私の甥が日本から一時帰国しているので、授業参観をお願いできますか。」と突然依頼された。一時帰国している甥の名前は、藤岡君。愛媛県立松山南高校の2年生。11才の時に中国から日本に単身来日し、現在は、母と妹とも日本で暮らしているようである。国籍は中国。京都大学への進学を希望しているそうだ。その日の授業内容は余裕があったので、20分あまりを使って、中国の学生にいろいろと質問をしてもらった。ある学生の「日本の良いところ、中国の良いところは、どんなことですか。」という質問に、彼は「日本の良いところは、衛生的な食べ物や水・空気、そしてゴミなどの少ない環境。さらに生活の安全。ルールを守る国民性です。中国の良いところは、人間の情(じょう)です。」と答えた。彼は単身来日時は、まつたく日本語ができなかったようだが、わずか6年の間によくもここまで学力を積み上げたものだと感心もする。3つのクラブ長も兼ねているようだ。
 
 私の宿舎は、旧市街の端にある。宿舎の1km周辺は、中国庶民の生活があふれている場所だと思う。南にある近くの河川公園では、早朝にはダンス体操を楽しむいくつもの集まり、太極拳や気功、クラッシックダンスをする人達。そして釣り。20数名が集まっての「○○談議」などがくりひろげられる。また、夜にはさまざまな「歌舞」が行われ、それを見物する大勢の人達。西にある通りには、週に3回は200軒あまりの露店が立ち並び生活雑貨が売られている。北や東には、庶民のアパート群が立ち並び、露店の飲食店なども数多く軒先を並べる。

 週末になると、骨董露店が300軒から500軒ほど立ち並び、大勢の人でごった返す。骨董露店の他に、いろいろな店も数百軒。蛇や噛みつき亀などの類を売る人もいる。ここに毎週行くことが、一人暮らし異邦人生活のわびしさを多少救ってくれる。また、時々、京劇に似た「閩劇」も青空上演される。1920年代を描く中国映画の一場面を彷彿させる情景が見られる。
 
 昨日の夕方、「永輝超市」という近くのスーパーに買い物に行った。日本でいえば「ダイエー」のような規模のスーパーマーケットか。店員の数も、数メートル間隔にいてやたら多い。野菜売り場の一角で、女性店員どうしのケンカが始まった。広い店全体に聞こえるケンカ。自分の担当する野菜の置場をめぐつてのケンカのようであるが、延々とケンカが続くその時、お互いに相手の置いた野菜を大量に放り投げ始めたのには驚いた。中国の福州に来て、ケンカの場面はたまに目にするが、ほとんどが女性である。男性は人に対して怒鳴ったりするが、ケンカにまではなかなか発展しないようだ。この前も、バスに乗ってきたおばさんが、運転手に大きな声で文句を20分にわたり言い続け、しまいにはお互い疲れたのか、笑いあっていた。







1 コメント

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がんばってますね。 (さくら たろう)
2013-11-13 08:17:12
現役時代はお世話になりました。遠い地でがんばっている様子を楽しく拝読させてもらっています。
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