中国に渡航した3月29日(水)の翌日(30日)と翌々日(31日)の大学での授業は、事前(1週間前)に休講とすることを2回生・3回生の学生たちには知らせていた。はたして、3年間のコロナ禍下の中国・福州で、3年前までの公共市内バスの運行が行われているのか。特に、私のアパート近くからの「福州市公共43番バス」が以前と同じ運行なのか、また、乗り換えの95番バスが以前と同じ運行なのかを調べる必要があったので、30日(木)の午後、大学にバスで行ってみることにした。(※3年前までは、43番バスの始発停留所「師大」から43番バスに35分ほど乗り、「博仕後家園」バス停で下車。このバス停から95番バスに乗り、25分ほどで閩江大学南門(正門)に到着できた。アパートから「師大」バス停まで徒歩5〜6分。アパートから大学まで、ほぼ1時間30分ほどで到着できていた。)
はたして、43番バスは? 「師大」の停留所がなくなっていた。どうやら、このバス停は、3年前までは以前に勤めていた福建師範大学の構内にあったのだが、3年間にわたるコロナ禍下のもと、「ゼロコロナ政策」の遂行とも相まって、一般人が大学構内に立ち入ることが禁止され、大学ロックダウンも行われたため、バス停がなくなっていた。
福建師範大学の守衛さんに、「43番バスの始発バス停はどこに行ったのか?」と聞くと、「上渡だ」と教えてくれた。このバス停は以前は、「師大➡上渡➡」と次のバス停だ。一旦、アパートに戻り、アパートから25分間余りを歩いて、「上渡」に着いた。とても疲れる長い距離だ。「上渡」から43番バスに乗り、大学方面に向かった。「博仕後家園」バス停で下車し、95番バスを待つ。95番バスは3年前と同じように運行していたので、大学の南門付近に到着できた。まあ、アパートから大学まで、約1時間50分ほどかかることとなった。南門から、私の研究室がある大学構内の福万楼まで徒歩10分、ここから大学の授業がある教学楼まで徒歩10分を要する。
このため、8時30分始まりの1時間からの授業がある木曜日や金曜日は、朝6時にアパートを出発し、43番バス始発6時30分で通勤することとなった。大学からの帰りは、43番バスでなく、163番バスが利用できるので、アパート近くの停留所で下車することができる。まあ、片道2時間、往復4時間のバス通勤時間となる。通勤するだけでも、70歳の身にはこたえる。
4月1日(土)頃から突然に喉が痛くなり、咳も出始めた。日本から持ってきている、喉の痛み止めや咳止めを飲むが、なかなか治まらない。翌日4月2日(日)は、さらにひどくなってきて、かなり熱も出始めた。3日(月)になると、喉の痛みが強烈になり、声も出しにくくなった。この症状はいったい何だろう?「まさか、コロナ感染!?‥」 2日の夜はかなりの高熱が出ているようで(体温は測らなかったが‥、38度近くはあるかと思われた。)、額(ひたい)や喉(のど)、胸に日本から持参している「熱さまシート」をたくさん貼って、熱が下がるようにした。熱は3日(月)の朝にはかなり下がったようで、体温計で測ってみたら37.2度だった。(私の平熱は36.2度〜36.4度) このように、喉が異常に痛く声も出にくく、咳が激しく止まらなといった症状は、いままでにほとんど経験したことがなかった。
3日(月)に、アパート近くの薬局に行き、症状を説明し、「咳止め」と「喉の痛み止め」の薬を買った。これが効いたのか、6日(木)頃から徐々に症状が治まってきた。
中国では、昨年の12月上旬から今年の1月下旬までの2カ月間で、総人口約14億人中、約90%の12億人以上がコロナ・オミクロン株に感染したと推定されている。(昨年12月上旬から「ゼロコロナ政策」が緩和、廃止された。) そして、国民のオミクロンコロナ株への集団免疫が獲得されたとも言われている。今、中国では、バスの車内では多くの人がマスクをつけているが、それ以外の場所では、ほとんどの人がマスクをつけていない。また、大学の教室でも、学生たちはマスクをつけていない。
4月4日(火)から、私の大学教室での授業が始まった。この日は、まだ喉の痛みが激しく、咳も出たが、熱は下がっていた。だが、声はかすれ声での授業だった。1週間後の4月11日(火)、学生たちに「コロナに感染しましたか?」と聞くと、ほぼ90%の学生は「陽了」(ヤンラ)[感染しました・陽性でした]と答えていた。20人ほどのクラスで、2人だけはまだ感染経験はないと答えていた。学生たちに感染した時の症状を聞いてみると、「①38度近い高熱、②激しい喉の痛み、③間断なく出る咳」と答える学生が多かった。薬局で「コロナ陽性・陰性の検査薬」を買って、「感染しているかどうかを調べました」と学生たちは言っていた。
どうやら、ほぼ間違いなく、私もコロナウイルス・オミクロン株に感染していたようだ。4月13日(木)までに、喉の痛みや咳の症状も、完全に治まった。私は基礎疾患があるが、コロナに感染しても、呼吸が苦しくなるような症状はほぼなかったので幸いだった。日本の成田空港から中国に渡航した3月29日の48時間以内のPCR検査(3月27日)では陰性だったので、おそらく、中国に渡航してからコロナに感染したのかと思われる。