ななめ前の煎餅屋さんが、店じまいをする。
昭和のにおいがプンプンとする素敵なお店だった。
女将さんも、娘さんも下街人情たっぷりで、気持ちのいい人たちだった。
ジャンクフードや、やわらかい食べ物が主流になって、日本人の咀嚼力は弱く
なってきた。昔はお茶うけには、年寄りもバリバリと煎餅を食べながらお茶を
楽しんだものだ。最近一部の人たちにはマクロビとか玄米が流行っているけど、
白米を食べる感覚で玄米を食べると、咀嚼されない玄米が内臓の壁を傷つけ、
かえってそれが病気の原因になったりすることもあるらしい。
今日は日曜日なので16時に閉店。新人の蕎麦打ちが3人やってくる。
そのひとりは、天真庵の改装を手伝ってくれた女子の子供で、二階で
籠の中で寝ていたK(当時0歳)だ。9年たったので小学校の3年生。
うまく蕎麦打ちが伝承されたら、30年か50年後にどこかで「天真庵」の蕎麦が生きて
いることになるかもなんばん。