長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

素敵な盗人

2014-04-29 08:28:11 | Weblog

近くに若い人向けのファッションブランドで「NUSUMIGUI」というのを

立ち上げた若者が越してきた。江戸時代から梅園があった香取神社の

近くの古民家を改装してやっている。料理でいうと、少しきどった懐石料理や

フレンチでなく、家庭でおふくろさんや嫁はんや、自分の料理をちょっと「ぬすみみぐい」

するような感覚らしい。

ぬすっと、「盗人」と携帯に登録したら、よくその「盗人」さんが電話してくる。そのたびに

ドキッとするのは、健忘症か痴呆が始まった証拠ではないかと思う。でもいつも

「15分後に4人でいきます」の電話の後にくる人たちが、その業界のデザイナーだったり、

靴をつくる職人さんだったり、染めをやる人だったり、多士済々のものつくりの若者がやってくる。

そんな中の一人が、今月近くの古民家いや古いアパートを改装して雑貨のお店を作った。そうするとまたそこのお店にくるセンスのいい

若者たちが寄ってくれるようになり、作務衣しかきたことがない時代おくれの男に、いい刺激を

与えてくれる。ほんとうに感謝感謝。そのお店の名前はフランス語で「なんやら」ようのだけど、

まだ10日くらいたっていないので、覚えていないけど、いいお店である。

「ひとりの人」が、その街に住むようになっただけで、その街が変わっていくことがある。

なんじゃらかんじゃら、一億人の人が批評家みたいになってものを申しても、世の中は莫として動かない

けど、できる一歩から踏み出す人がいると、世の中は動き始める。

過去と人は変えられないけど、自分が変われば未来が開けてくる。

閉塞感だらけの昨今にあって、大事なことは、そんなことではなかろうか、と思う。

寄る年波で体は若い時ほど動かなくなってきたけど、今年は京都で蕎麦会をやったし、

来月は岐阜で600年もつ続いているけど、若い後継者がいなくて青色吐息な茶畑を

ボランティアで応援している若者たちと、茶摘みの蕎麦会をやることなった。

「何をして生きていけばいいのか」に迷っている人も多い。「人の役にたてることをしよう」

と思ったら、やることはたくさんある。やるまえに、さして利口でない頭で、なんじゃら考える暇

があったら、行動することだと思う。

「よし」と決めたら、他人の比べることもないし、人にどう思われようが、そんなことは些細なことになる。

天真庵にやってくる若者たちに、最近、そんなことを教わっている。