長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

売茶翁

2012-02-07 08:01:19 | Weblog
「ばいさおう」という。佐賀に住み黄檗山の禅僧だったのだが、58歳の時に野に下って上洛し、
茶を売りながら、禅や茶の風合いを伝授していった。伊藤若冲、池大雅、頼山陽など、
文人たちとの交流を通じて煎茶が広まっていった。
別名「文人茶」とか「批判茶」とかいわれる所以。
抹茶に比べて、座敷とか庭とか道具にこだわらず、いつどこでもかまわないという
融通無碍で、自由。そのぶん、各人の「自楽」というか、自分を磨くため、というところに
重点がおかれているようにも思う。勝手気ままではなく、そこに共通する「精神的文化力」
みたいなものが、とても重要。抹茶のマネをしていたのでは、のみこまれる。

昨日は「味噌つくり」の一日目。元気な女子が味噌つくりをやっている時に、「煎茶道」
の古い文献を読んでいると、そんな宿題みたいなことが書いてあった。店をオープンする前に
読んだときは、そこの一文が焼きつかなかった。華道評論で日大の教授でもあったYさんの評論。
Yさんの娘さんが、天真庵の常連になることなど、そのころは、つゆとも思わなかった。
人と人の縁とは、ほんとうに不思議なものだ。
「無茶しぃの会」、いよいよ静かにスタートする。22日(水)が事始め。

今日は午前中に雑誌の取材。ご老人たちが、生きがいをもって過ごすことを応援する雑誌。
午後は、お仕覆の会。大事な煎茶道具やお花の道具を、包み込む袋をつくる教室。
お茶、お花と同じく、二階の和室で坐ってやる。「坐る」というところに、日本の文化の「道」
につながる大事なものがある。「無茶しぃの会」も、道具や服装や作法は、不問。でも「坐って飲む」
を基本にしたい。