長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

お仕覆の教室を始めます

2009-12-06 07:00:12 | Weblog
おしふく、という。
来年から、またひとつ教室ができることになった。

おしふく、とは、茶入れとか、骨董の茶碗とか花器などの着物。
古布と紐を使って、大事なものを、結ぶ着物みたいなもの。

昔から日本人は、結び、を大事にしてきた。
男と女が、縁あって、結ばれ、できた男の子を
「むすこ」というし、女性は「むすめ」というのも、結ぶから
きた言葉だ。お米を手で、にぎってつくるごはんを、「お結び」
という。大事な会に出るときには、羽織の紐を結ぶし、
お土産には、風呂敷を結ぶし、ご祝儀袋には、みずひきが結ばれている。
君が代には、苔の「むす」まで、と歌われている。

今日は「エリカ庵」。
ワカも元気にやってくる。明日からまた順天堂に
入院するけど、今日はエリカ庵で、体を整え、蕎麦を
食べることになっている。
病気になったり、事故になったり、倒産したり・・
人生は、いろいろあるけど、「いろいろあるのが人生だ」
と思うと、またなんか楽しくなったりするものだ。

地震や火事や倒産で、無一物になったりすることがある。
来年あたりは未曾有の大不況になって、みんなの経済が
とまるようなことになるかもしれない。
でも、それはそれでけっこうなことだ。
ぼくは、小さな茶櫃(ちゃびつ)の中に、茶碗と急須などの
道具が入っていて、気のおけない友達とお茶が飲めたら、
そんないいことはない、と思っている。できたら、ときどき、
安くてもいいけど、酒が飲めればいい。
そうすると、持っている茶椀などは、大事なものになるので、
お仕覆で、ちゃんと保護しなければいけない。

そんな「ものを大切にする気持ち」から、古人が考えだした文化やと思う。