天然居士の独り言

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民間活力・・・

2015年09月03日 19時52分34秒 | 日記
 今日のネットのニュースを見ていたら、
 週刊朝日の9月11日の記事の抜粋として、佐賀県武雄市の図書館の事が載っていました。
 長年の図書館利用者の僕としては、興味を持ってこの記事を読みました。

 2013年4月に市の図書館運営を全国で初めてTSUTAYAとコラボし、
 注目を浴びた武雄市図書館ですが、
 そこに並ぶのは「公認会計士第2次試験2001」や、
 シリーズものだが全巻そろっていない「ラーメンマップ埼玉2」など、
 出版年度が10年以上前の物が多く、市民からは訴訟も起こされていると言う事です。

 武雄市図書館は、
 TSUTAYAを運営する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」に委託を決定し、
 CCCが約3億円、市が約4億5千万円、計7億5千万円をかけてリニューアルしました。
 民間委託後、開館時間の延長や休館日なしの運営をして来た結果、
 利用者や貸し出し冊数も大幅に伸びたのは事実です。

 この方式を導入したのが、樋渡啓祐・前武雄市長です。
 2006年に総務官僚から武雄市長に転身した樋渡氏は、
 10年に市民病院を民間社団法人「巨樹の会」へ移譲し、
 12年に市立図書館の管理を、CCCに委託して話題となりました。
 今年1月には、自民党の推薦を受けて、農協改革を唱えて佐賀県知事選に出馬しますが、
 落選して話題になりました。
 その後、6月に「巨樹の会」の理事に就き、
 7月にはCCCが設立したスマートフォンを利用してふるさと活性を目指す
 「ふるさとスマホ株式会社」の代表取締役社長に就任しています。
 移譲先の役員や委託先の関連会社に就職する事は、いかがなものかと思います。

 民間活力の導入の言葉の対極に、融通の利かないお役所仕事がありますが、
 民間活力を導入してもそれを監視するシステムは必要なのだと思います。
 今回の記事によると、武雄市の教育委員会は、
 図書の選定などCCCに全て任せているとの事でしたが、
 図書を納入したのは、CCC傘下のネット中古大手の「ネットオフ社」からで、
 在庫処理を行ったのではないかとも指摘されています。

 公共性が高く、政治的な中立性を確保する必要のある図書館に、
 民間活力を導入する事が妥当なのかどうか、よく考えた方が良いように思います。

 江戸時代後期、田沼意次が重商政策を行いました。
 同業者組合である株仲間を奨励し、真鍮座などの組織を結成させ、
 商人に専売制などの特権を与えて保護、運上金、冥加金を税として徴収しましたが、
 これらの政策によって、幕府の財政は改善しました。
 しかし、1783年(天明3年)の浅間山噴火などによる飢饉への対応に失敗し、
 商品経済の発展に伴う賄賂の増加などの政治の腐敗を招きました。
 少し歴史に学ぶ事が必要な気がします。

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