天然居士の独り言

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直木賞・・・

2023年07月20日 19時12分29秒 | 日記
 昨日、第169回芥川賞と直木賞の受賞作が決定しました。
 芥川賞は市川沙央『ハンチバック』、
 直木賞は垣根涼介『極楽征夷大将軍』、
 永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』です。
 芥川賞の市川沙央さんは、重度の障害があり、
 人工呼吸器使用と電動車椅子を使用されているとの事で、
 現在のデジタル機器を使って小説を著しているのでしょう。 
 素晴らしい事だと思いました。

 直木賞を受賞した永井さんは知りませんでしたが、
 垣根さんは、僕の好きな作家の一人で、結構著作を読んでいます。
 最初に読んだのが、
 2014年3月23日に読んだ、「ワイルド・ソウル」でした。
 戦後の日本が行って来た南米への移民政策が、
 いかに酷いものであったかを描いたハードボイルド小説で、
 悲惨な末路を辿った一世の代わりに、
 その子供達が外務省に復讐を果たすと言うストーリーだったと思います。

 その後、ヒートアイランドシリーズの
 「ギャングスター・レッスン」や「サウダージ」、
 「ボーダー」などを読み、
 企業のリストラを請け負う会社の社員を描いた連作短編の
 「君たちに明日はない」、「借金取りの王子」を読み、
 男たちを翻弄する物静かな公務員の女性を描いた「月は怒らない」、
 神社の狛犬が大型犬に変身する「狛犬ジョンの軌跡」など、
 いずれも面白いと思いました。

 その他、垣根さんは歴史小説も著しています。
 応仁の乱当時の京都を舞台とした「室町無頼」は、
 最近関心が高まっている室町時代の民衆を描いていました。
 そして、とにかく斬新な歴史小説だと思ったのが、「光秀の定理」でした。
 これは、確率論の「モンティ・ホール問題」を使っていました。
 「モンティ・ホール問題」が何かと言うのは、
 僕もキチンと理解していないのでご容赦下さい。

 更に、「信長の定理」では、
 マーケティングの法則であるパレートの法則に
 信長が気付くとの設定で描かれています。
 これは、「売上げの8割は2割の社員に依存する」との法則ですが、
 ともかく、これも従来の歴史小説には見られない描き方だと思いました。

 そのような次第で、垣根さんは歴史小説でも面白い作品を著しています。
 今回、直木賞を受賞したのは、「極楽征夷大将軍」で
 足利尊氏を描いているとの事です。

 長年お付き合い下さっている方はご存知かと思いますが、
 僕は、本はほとんど図書館の本を借りて読んでいます。
 「極楽征夷大将軍」、直木賞作品になりましたので、
 間違いなく図書館には入るでしょうが、
 希望者が集中して読むのは結構先になりそうです。

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