天然居士の独り言

主に日記主体のブログです。

藤村操・・・

2022年05月22日 19時03分28秒 | 日記
 今の若い方は、藤村操を、ご存知ない方も多いかも知れません。
 1903年(明治36年)5月22日、
 日光の華厳の滝から投身自殺した第一高等学校の学生です。
 藤村操は、1886年(明治19年)7月20日の生まれですから、享年16歳でした。

 藤村は、前日の5月21日、制服制帽のまま失踪し、
 日光町(現在の日光市)の旅館に宿泊します。
 翌22日、華厳滝の傍らのミズナラの木に「巌頭之感」を書き残して
 投身自殺しました。
 旅館で書いた手紙が東京の藤村家に届き、
 叔父の歴史学者の那珂通世らが日光に向かい、
 捜索したところ遺書(巌頭之感)や遺品を見つけました。
 一高生の自殺は遺書の内容とともに5月27日付の各紙で報道され、
 当時の社会に大きなセンセーションを巻き起こしました。

 ちなみに、巌頭の感は次の通りです。
 「悠々たる哉天壊、遼々たる哉古今、五尺の小躯を以て此大をはからむとす。
  ホレーショの哲学、竟に何等のオーソリチィーに値するものぞ。
  萬有の真相は唯一言にして 悉す。
  日く「不可解」。
  我この恨を懐いて煩悶終に死を決するに至る。
  既に巌頭に立つに及んで胸中何等の不安あるなし。
  始めて知る大なる悲観は大なる楽観に一致するを。」
 この中で、ホレーショと言うのが誰なのか必ずしも明確ではありません。
 シェイクスピアの「ハムレット」の中に出てくる、
 ハムレットの友人ホレーショだと考えられています。

 この藤村操を夏目漱石が教えていました。
 英国留学から帰国した漱石は、ラフカディオ・ハーンの後任として、
 一高の英語の講師になるのですが、その時の教え子でした。
 漱石は自殺直前の授業中、
 藤村に「君の英文学の考え方は間違っている」と叱っていました。
 漱石は、「吾輩は猫である」や「草枕」などでもこの事件を取り上げていますが、
 後年、漱石が神経衰弱となった一因ともいわれています。

 彼の自殺によって、華厳の滝は自殺の名所になってしまいます。
 藤村の死後4年間に同所で自殺を図った者が
 185名(内既遂が40名)にのぼったと、ウィキペディアに記されています。
 なお、巌頭の感は、華厳の滝エレベータで降りて、
 観瀑台に行く途中にレリーフになっています。
 また、藤村がミズナラの木に記した巌頭の感は、
 まもなく警察により削り取られたとの事ですが、
 それを撮影した写真があり、現在でも華厳滝の物産店で販売されています。

 今日のチャンピオンシップトーナメントの準決勝、
 ブレックスと川崎ブレイブサンダースの試合は、凄い試合でした。
 試合開始直後、ブレックスが立て続けに3ポイントシュートを決めましたが、
 すぐに追いつかれ、ずっと競った展開が続きました。
 残り55秒で同点になり、最後までどちらが勝つか分かりませんでしたが、
 何とかブレックスが振り切って77対73で勝ちました。
 次は、来週琉球ゴールデンキングスか島根スサノオマジックとの決勝になります。
 ここまで来たのですから、是非優勝してもらいたいです。

 なお、明日は所用により日記等を休ませて頂きますので、
 お含み置き下さい。
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