徳之島・・・

　普天間基地の移転問題は、移転先の候補として考えられていた徳之島での
　大規模な反対運動によって、頓挫しそうな気配になっています。
　鳩山総理大臣が言う、
　「（沖縄の基地負担）を国民全員で分かち合う気持ちを
　全国で示していただきたい」は、
　理念的には正しい事のような気がしますが、
　現実の問題として、徳之島の住民が何故沖縄の住民の負担を
　肩代わりしなければならないのかの問題には答えていません。
　総論賛成各論反対はよくある事で、そこをどのように解決するのかが、
　実務者の腕なのだと思います。
　民主党には政権を担った経験がなく、
　こうした弱点が露わになったような気がします。

　普天間基地の県外移転を言い出すためには、
　その移転先の受け入れ可能性を十分に吟味してから公約に掲げるべきで、
　単に口先だけの詐欺のようなマニフェストだったと言う事なのでしょう。

　徳之島案については、昨年末に急に浮上した案のようで、
　島の関係者の中には、島の振興を図るため、
　普天間基地の移転を望む声もあるのは、間違いはないようです。
　読売新聞の報道によると、
　民主党の静岡１区選出の牧野聖修衆院議員を通じた
　同島関係者からの売り込みに、
　アメリカ軍の運用など安全保障上の観点から本格的に検討もせずに、
　飛びついてしまったと言うのが真相のようです。
　これだけ重要な問題ですから、慎重に裏をとって調査すべきであって、
　一部の島民の声で決めるべき話ではないと思います。

　今日、滝野欣弥官房副長官から徳之島の３町長に電話があり、
　「普天間の件で平野官房長官に会ってほしい」と
　伝えられたとのニュースがありました。
　政府側から正式に接触があったのはこれが初めてで、
　３町長は協議した結果、官邸側に「会わない」と伝えたとの事です。
　徳之島の人からすれば、何を今さらの思いなのでしょう。

　過日、アメリカを訪問した鳩山総理大臣は、
　オバマ大統領に相手にされませんでした。
　国民である徳之島の町長にもそっぽを向かれた感じで、
　５月末の決着は、到底無理なような気がします。
　この５月末は、総理本人が言い出した期限です、
　どのような見通しを持っていたのか聞いてみたいですね。