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毎日の暮らしの中にある大好きなもの、こと、出合(会)いなどについての気まま日記

終の住処

2009-08-18 07:17:59 | 読書
今年度、第141回芥川賞作品。

この数ヶ月というもの、月は満月のままだった。
不思議なことに雲よりも手前にあった。

「1Q84」でも月は重要な意味を持っていたが、ここでも不思議な月が出てくる。
そんなことあるわけがないのだけれど、そういわれればあるかもと思ってしまう。
文章にはそんな力がある(違ったっけ)、「著者に聞きたい本のつぼ」でそんな話をされていた。
結婚から、子供が巣立って再び二人になるまでの日常がたんたんとした文章で綴られている。

妻は不機嫌だった。
「別に今に限って怒っているわけではない」
男性から見た女性って、感情の起伏が読み取れない複雑で不思議な生き物なのでしょうね。
主人公が、不可解で抜け出しがたい思いにとらわれる気持ち、女性ながらに良く分かります。
男って本当に単純な生き物だな、と思うことがありますから
仕事が終わるといつも反対方向の電車に乗っている、と噂されていたある人を思い出してしまいました。

中年男性が読むと、男の孤独?に共感を覚えるのでは。

「終の住処」 磯崎 憲一郎




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