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毎日の暮らしの中にある大好きなもの、こと、出合(会)いなどについての気まま日記

静子の日常

2009-09-09 07:58:52 | 読書
一人暮らしだった義母「静子さん」が、住んでいた家を売り払ったお金を持参金に一人息子の家族の元にやってきた。
友人達は一様に同情に満ちた顔をするけれど、おっとり、さっぱり、よけいなことを言わない静子さんはどこでも人気者だ。

読みかけの本があったのに、出だしをちょっとのはずが静子さんの日常にすっかりはまってしまった。
通い始めたフィットネスクラブのあちこちに貼られた注意書き。
 髪をよく拭いてから通ってください
こんなこと三歳の頃から知っている・・・ばかみたいだわね、と心の中でつぶやく。

そうなんです。
最近、ここまで書くのと失笑してしまうものが多い。
この前なんかアイスキャンデーの袋に小さく「唇にくっつことがあるので気をつけてください」とあった。
薄皮がはげた経験って、みんなあるんじゃなーい?

静子さんがすごいのは、行動がウイットに富んでいるところだ。
「若くはないわ」
誰しも老いていくわけで、ちょっと切なかったりするんだけど
「若くはないけど、新しい歌を知ることはまだできるんだわ」
とっても前向きな静子さんの日常って、素敵です。

「静子の日常」 井上 荒野