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毎日の暮らしの中にある大好きなもの、こと、出合(会)いなどについての気まま日記

しらみつぶしの時計

2008-11-08 18:09:26 | 読書
98年から08年にかけて発表した作品の短編集。
一番手「使用中」から、うーむ、とついうなってしまう。
かなりおもしろい作品が集められている。
単発のアイデア・ストーリーばかりなので、一貫したテーマやコンセプトはありませんと書かれているだけあって、確かにバラエティだ。
そんな中で、「猫の巡礼」はかなり異色な作品だ。

猫には、猫巡礼に行く年頃というのがあるらしい。
年とった猫がある日ふっと家族から姿を消し、数ヵ月後何事もなかったかのように戻ってくる。
そんな話は、耳にしたことがある。
蓬莱猫、豊漁猫・・・ありえそうで、本当にいたのか検索をしてみた。
結果、雄の三毛猫を「豊漁の神様」というらしいから、縁起を担いでかつお船に乗せる習慣というのはあったかもしれない。
ミステリー・・・
猫って、確かに存在自体がミステリアス。

タイトルにもなっている「しらみつぶしの時計」
一分づつ違った、一日二十四時間の時を示す1440個の時計から、6時間以内に正確な時を示す時計を探し出す。
凡人脳で真面目に考え込んでいたぶん、最後のオチは・・・ちょっとぉ!
なかなか楽しめる一冊です。

「しらみつぶしの時計」 法月綸太郎