■今年から修士論文に予備審査が導入されることになり、その締め切りが迫っている。というわけで今週は修士論文指導をする「特別研究」が3件あり、今日も大学に行ってきた。全員なんとかクリアしてほしいのだが。
■注文していた本が毎日のように届いている。John BenjaminsのTranslation Library series などは特に報告しませんので、随時John Benjaminsのサイトで新刊をチェックして下さい。Multilingual Mattersからは以下の3冊。
Ladd, Paddy (2003) Understanding Deaf Culture: In Search of Deafhood.
ろう文化について幅広い分野に目配りした理論的大著。500ページ以上ある。
Armstrong, Nigel (2005) Translation, Linguistics, Culture: A French-English Handbook.
フランス語を学ぶ英語圏の学生のための翻訳入門書。
Adaltonen, Sirkku (2000) Time-Sharing on Stage: Drama Translation in Theatre and Society.
かなりの改変が行われるのが常態になっている戯曲の翻訳論。
■鴻巣友季子(2005)『明治大正翻訳ワンダーランド』(新潮新書138)
ユゴー「探偵ユーベル」、バアネット「小公子」、ボアゴベイ「正史実歴鉄仮面」、レルモントフ「浴泉記」、ゾラ「女優ナナ」、トルストイ「復活」、ウイダ「フランダースの犬」、アンノウンマン「いたづら小僧日記」、イプセン「人形の家」、「模範家庭文庫」、リットン「ポンペイ最後の日」、グリズリー「東への道」、モオパッサン「美貌の友」、ルルー原作・カーニー改作「オペラ座の怪人」を取りあげている。「オペラ座の怪人」って大正14年に訳されていたのか。
■META Vol.50 No.3は翻訳と通訳の歴史の特集。18世紀の翻訳と女性、バチカン、ブラジル、アフリカ、オスマントルコの翻訳、中国の科学翻訳史など。通訳は逐次通訳の歴史(フランス語)、1919年第1回国際労働会議における会議通訳、中国の通訳の歴史など。