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多文化共生とは永続的なココロの営み

「『紙つぶて』百聞は一見にしかず」

2008-03-27 17:19:54 | 多文化共生
 現場にいる人間でさえこの状態。

(以下、中日新聞【静岡】から転載)
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「『紙つぶて』百聞は一見にしかず」  松本 雅美(まつもと・まさみ) 

2008年3月26日

 私の勤める浜松市の学校法人ムンド・デ・アレグリア学校は、もともとスペイン語圏出身の親に「母国語で勉強できる学校を」と依頼されて開校したのですが、ブラジル人の親からも「子供を入学させたい」との声が寄せられるようになりました。私はブラジルについてよく知らなかったため、3月中旬に現地校見学とブラジル教育省訪問を兼ねてこの国を訪れました。1週間の滞在でしたが、幼稚園や小中学校を見学してカルチャーショックを受けました。

 当校のブラジル人の先生たちが休み時間に食べたり飲んだりすることや露出の多い服装を身に付けることについて、私は何度か注意をしていましたが、現地校を見て納得しました。現地の季節は夏。先生たちの服装は、かなり露出の多いものが一般的でした。先生専用の部屋では休憩時間に先生たちがものを食べたりしていました。

 現地ではまた、1936年に神戸港から渡航した移民一世に話を聞くことができました。その人は当時7歳でしたが移住後すぐに第二次世界大戦が起き、敵国人として学校にも行けなくなったそうです。それでも父親が毎日、畑作業の後に日本語を教えてくれたおかげで、日本語には不自由しないと話していました。その人の父親に日本人の誇りを感じました。

 当校にはブラジル人の生徒や先生がいるといっても学校自体は日本にあります。生徒たちの家とは違った日本の学校の環境を大切にしながら、両方の習慣をうまく調和させたいと思っています。そうした上で、生徒たちに、あの移民一世の父親と同じ「祖国の誇り」を伝えたい-そう思ったことが、今回のブラジル訪問の成果の一つかもしれません。 (南米系学校長)

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