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多文化共生とは永続的なココロの営み

えんぴつ日記2009:/6 不況直撃の定住外国人 /三重

2009-12-25 10:19:33 | 多文化共生
(以下、毎日新聞【三重】から転載)
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えんぴつ日記2009:/6 不況直撃の定住外国人 /三重
日本語教室で学ぶ(右から)アリソンさん、カシオさん、ロナウドさん
 ◇支えたい小さな“夢”

 昨冬から続く不況は、多くが派遣社員として工場などで勤務していたブラジルなど中南米系の人たちを直撃した。

 日系ブラジル人のフェレイラ・ロナウドさん(49)=津市久居北口町=は10年前に単身来日し、5年前、妻と長男アリソンさん(16)、次男カシオさん(14)の3人を呼び寄せた。

 これまで派遣社員として製造業に就いていたが、今年3月に失職。10月にやっと新しい仕事を見つけたが、この不況下、いつまで続けられるか分からない。それでもロナウドさんは「子どもには日本で勉強し、就職してほしい」と、日本に住み続けるつもりだ。

 定時制高校に通うアリソンさんは「本当はすぐに働きたかった」という。私は「将来働く力をつけてほしいから、ロナウドさんは今は勉強してほしいんだと思うよ」と言った。「その気持ちは分かる。でも、父や母が仕事をなくした時、悔しかった。早く働いて家族を支えたい」。アリソンさんは夜学に通い、日中は家計を助けるためアルバイトに励んでいる。

 外国人支援にかかわる人たちは「不況はピンチであるのと同時に、共生が進むチャンス」と言う。ロナウドさんのように日本に住み続けることを決意し、職を得るために、これまで製造業ではあまり必要なかった日本語やおじぎなどのマナーを、学び始める人が急増していることが、その言葉を裏付けている。

 就職先の幅も広がろうとしている。あるブラジル人女性は、失職を機に介護スタッフとして働くようになり、「製造業の時より給料は下がったが、今の仕事の方が日本語も上達し、人間的に成長できる」と、うれしそうだった。

 彼らがこの不況を乗り越えられるように、支えることはできないのだろうか。日本で一人の人間として、一家族として暮らし、夢をかなえていこうと努力する彼らをしっかりと迎え入れることが、私たち自身の成長につながるはずだと思う。

 「勉強して、将来は自動車関係の仕事に就きたい」--。これがアリソンさんの夢だ。【岡大介】=つづく

〔三重版〕

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