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失職したけど…母国の味で活路 日系ブラジル人料理店オープン…出雲

2010-02-22 10:01:08 | 多文化共生
(以下、読売新聞から転載)
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失職したけど…母国の味で活路 日系ブラジル人料理店オープン…出雲
「ブラジルの家庭の味です」と料理を手渡す原リディア・マスエさん(右)(出雲市今市町のサボローゾで)

 島根県出雲市に住む日系ブラジル人らがブラジル料理店を20日、同市今市町の商業施設「パラオ」フードコートで開いた。景気低迷から、出雲・斐川地区でも職を失う定住外国人の多いなか、「他人に頼らず、自分たちでがんばろう」と<母国の味>に活路を見いだした。周りの日本人たちも「地域交流や多文化共生の場に」と支える。(佐藤祐理)

 店の名は「SABOROSO(サボローゾ)」。ポルトガル語で「おいしい」「味わい深い」の意味だ。空き店舗を3か月間無料で借りられる、出雲商工会議所の「チャレンジショップ事業」制度を活用した。カンパなどで集まった約70万円で、約26平方メートルの店内に備品をそろえ、看板を掲げた。カウンター5席のほか、他店との共用席も使える。

 メニューは、温かい豆の煮込みを白米にかける「フェイジョンランチ」(500円から)、香辛料の利いたコロッケ「コッシーニャ」(100円から)など計約20種類。3人態勢で、日系ブラジル人5人と日本人3人が常勤やパートなどで勤務する。

 店長は、日系2世の原リディア・マスエさん(52)。夫の原ロベルト・タダユキさん(53)と子ども2人の4人家族だ。一家は2000~01年に来日。斐川町の製造工場で働いていた夫は08年末、契約が切れて失職。スーパーでパート勤務していたマスエさんも孫の世話などで辞めざるを得ず、収入が途絶えた。夫は昨年12月から斐川町役場で臨時職で働いているものの、生活費が足りない。「中1の長女に洋服を買ってあげたい」とマスエさん。

 出店のきっかけは、日系ブラジル人を支える市民団体「エスペランサ」の理事長の江角秀人さんからの「料理店を開いてみては?」とのアドバイス。サンパウロで惣菜店などを経営していたマスエさんは「経験を生かせるかも」と考えた。不安があるものの、日本語しか話さない長女のためにも帰国せず、出雲市で活路を見いだそうと決意した。

 出雲市のブラジル人登録者は今年1月に約650人で、2006~08年頃の約1000人から急減している。県内の有効求人倍率が昨年12月に0・65倍と落ち込んでおり、雇用情勢が厳しいためだ。

 「サボローゾ」は市内初のブラジル料理店。「仕事が見つからず、明日どう暮らせばいいか分からない仲間に、古里の味で元気になってもらいたい」とマスエさん。江角理事長は「地域住民やほかの外国人との交流の場にもしたい」と話している。

 パラオ閉店日は休み。午前10時~午後8時。
(2010年2月21日 読売新聞)

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